大腸がんの早期発見ポイント、便潜血検査、大腸内視鏡検査、大腸カプセル内視鏡

大腸がんは がんの中でも最も多くの人がかかっている病気です。
成人男性の10人に1人、成人女性の13人に1人が大腸がんにかかるとされています。
食生活の欧米化により大腸がんは増加してきています。
しかし大腸がんは早期に発見して適切な治療をすれば治せるがんともなっています。
日本では大腸がん検診の受診率が低く、早期に発見することが低いことが増加の要因となっています。
便潜血検査は毎年受けることが重要で、便潜血検査が陽性になった場合は精密検査である大腸内視鏡検査を受けることが大切です。
50歳以上で大腸がんになるリスクが高まるので50歳になったら一度大腸内視鏡検査を受けて早期発見につなげることも大切になります。

■大腸がんの症状
・便秘と下痢を繰り返す
・血便
・腹痛
・便が細くなる

大腸がんの症状は早期の自覚症状がほとんどなく、進行しないとが現れにくいといわれています。

■大腸がんの原因
・肥満
・アルコールの摂り過ぎ
・運動不足
・喫煙
・加齢
・遺伝

大腸がんの原因として明らかになっているものは肥満とアルコールの摂り過ぎです。
その他にも運動不足や喫煙も大腸がんの発生に関係していると考えられています。
高齢になると大腸がんの発症率が高まり、大腸がんは遺伝的な要素も大きいため遺伝性のものが全体の15%も占めています。

■大腸がんは検診による早期発見が大切
大腸がん検診は約90%の確率で大腸がんを発見することができます。
さらに早期の段階で発見することができれば、適切な治療でほぼ100%治すことが可能となっています。
ただし自覚症状が出てから受診したのでは進行していることが多いため、完全に治すことが難しくなります。
そのため定期的に大腸がん検診を受けることが非常に重要になります。

■大腸がん発見のための検査
・便潜血検査(べんせんけつけんさ)
・大腸内視鏡検査
・大腸カプセル内視鏡

●便潜血検査(べんせんけつけんさ)について
便潜血検査とは便の中に血液が混じっていないかどうかを調べる検査です。
便潜血検査は40歳以上であれば自治体や職場の検診で受診可能です。
大腸がんになると大腸がんから出血するのでそれを発見します。
2日間連続で便潜血検査をし、1回でも陽性が出たら精密検査の大腸内視鏡検査を受けます。
便潜血検査を毎年行うことで9割以上の大腸がんを発見することが可能になります。
ただし早期がんでは陽性にならない場合が多いので、手術が必要な大腸がんを早期に発見するための検査ともなります。

●大腸内視鏡検査について
肛門から内視鏡を入れて腸の中をくまなく調べます。
ポリープなどの病変があった場合は内視鏡で観察し、必要に応じて治療を行います。
大腸内視鏡検査は大腸の中を空にして検査するため、前日か当日に1.5L〜2Lぐらいの下剤を飲むことになります。
大腸内視鏡検査を受けるときは専用の使い捨てのパンツを使用するので心配ありません。
50歳以上になったら大腸がんの頻度が上がってくるので大腸内視鏡検査を受けると早期発見につながります。
また血縁者に大腸がんになった人がいる場合は、大腸がんリスクが高まるといわれているので大腸内視鏡検査を受けた方が早期発見につながります。

●大腸カプセル内視鏡
大腸カプセル内視鏡を水と一緒に飲んで大腸の中をくまなく撮影します。
大腸カプセル内視鏡の前後にレンズが付いていて大腸の中を見逃しなく診断することができます。
6mm以上のポリープは90%以上発見することができます。
夕方までには大腸の中をすべて撮影します。
大腸画像はリアルタイムに外部の記録装置に記録されていきます。
大腸カプセル内視鏡検査の保険適用は、大腸内視鏡検査ができない人に限定されています(2017年1月時点)。