ムチンとビタミンUで胃の不調予防、胃もたれ、胃炎、逆流性食道炎、狭心症、アニサキス

胃もたれ、胃の痛み、胸焼けなど、胃は些細なことから不調が出やすいことからおしゃべりな臓器とも呼ばれています。
納豆や山芋などのネバネバ食材に含まれるムチンには胃を守る胃粘液の材料となります。
キャベツやブロッコリーに豊富に含まれるビタミンUには、傷ついた胃粘膜の修復を促進する働きがあります。

■胃炎
胃の炎症によって胃の機能低下を招き消化スピードが遅くなり胃もたれを感じるようになります。

■逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、逆流した胃酸によって食道の粘膜が侵された状態をいいます。
食べ物を消化する胃酸は金属さえ溶かすほど強い酸性ですが、胃の壁は粘膜などによって守られています。
しかし食道の粘膜は胃粘膜ほど強くなく、胃酸が逆流すると荒れてしまいます。

■アルコールと高脂肪が逆流性食道炎の原因になる
下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)は食道と胃のつなぎ目にある筋肉です。
食事中は胃に食べ物を送るため開いていますが、普段は胃酸が逆流しないように閉じています。
しかし消化しにくい脂肪分などを摂ると消化を手助けするホルモンが分泌されます。
そのホルモンには括約筋を緩めてしまう作用もあるため胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
さらにアルコールにも括約筋を緩めるホルモンの分泌を促進する働きがあります。

■食後すぐ横になることが逆流性食道炎の原因になる
胃酸は横になると逆流しやすくなります。
寝るなら食後3時間以上経ってからにしましょう。

■ストレスが胃の不調の原因になる
ただでさえ不調の出やすい胃にストレスが加わると、さらに不調が出やすくなります。
ストレスによる胃の症状が悪化すると、激痛を伴う場合や食欲不振に吐き気、さらには体重減少にまでつながることもあります。
ストレスは抱え込まず、発散する方法を見つけて逃がしてあげることが大切になります。

■狭心症(きょうしんしょう)と胃の痛み
狭心症(きょうしんしょう)とは、心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化などで狭くなり血液量が少なくなる病気です。
悪化すると心筋梗塞を招き突然死にいたる場合もあります。
狭心症は突発的に胸が痛み、圧迫感や息苦しさを感じるのが典型的な症状となっています。
心臓と胃の距離が近いため、痛みが胃で起きていると感じる場合が多いとされています。

その他にも急性膵炎、胆石、虫垂炎なども胃と場所が近いため胃の不調となって現れることがあります。

■加齢と共に胃の機能が低下する
胃の粘膜を守る粘液は加齢と共に少なくなり、その分胃が守れなくなります。
胃粘液の量を39歳以下を100%とした場合、40〜50歳代は91%、60歳以上は84%に減るといわれています。
年を摂ると胃粘膜の血流量も減ってしまうので消化能力も低下してきます。

■ムチンで胃の不調を予防
納豆や山芋などのネバネバ食材にはムチンが豊富に含まれ、胃を守る胃粘液の材料となります。

■ビタミンUの不調を予防
キャベツやブロッコリーに豊富に含まれるビタミンUには、傷ついた胃粘膜の修復を促進する働きがあります。

■アニサキス
アニサキスとは魚介類から検出される体調2〜3cmの寄生虫です。
魚の内臓などに住み着き、魚の死後に内臓から身の部分に移動します。
それを生きたまま食べてしまうと胃壁に頭を突き刺し、アニサキス症という激しい胃痛や嘔吐などの症状を引き起こします。
激痛や嘔吐の症状はアニサキスが胃壁を刺すことで起こるアレルギー反応だといわれています。
そのため何も激しい症状を訴える人もいれば感じない人もいるそうです。
症状がない場合、気付かないうちに数日で胃から離れて便で排出されます。
アニサキスは加熱や24時間以上の冷凍で死滅します。
アニサキスがいる場合は、黒く変色していたり、少し黄色っぽく濁っていたりします。
食べる際によく噛むことでアニサキスを死滅させる効果も期待できます。