正しい入浴法!風呂場の脳硬塞・心筋梗塞対策 深部体温!

正しい入浴法!風呂場の脳硬塞・心筋梗塞対策、深部体温が高い状態での入浴は脱水状態の危険性があります。42℃以上のお風呂への入浴は血栓の危険性が!正しい入浴法には身体が健康的に温まる以外に、疲労回復や免疫力を高める効果が

■入浴と深部体温(しんぶたいおん)
熱いお風呂に長時間入っていると、身体に急激な変化が生じます。
それは深部体温(しんぶたいおん)の急上昇です。
深部体温とは、脇の下など皮膚の表面体温とは異なり、内臓など身体の内部の温度のことです。
人の健康状態をチェックする指標となる重要な体温です。
ある研究データによれば、41℃のお湯に30分浸かると、通常37℃の深部体温が39℃にまで上昇するという結果が出ています。
この39℃という深部体温は、真夏の炎天下で重度の熱中症になっているのと同じ状況になります。
このとき身体に起きているのは危険な脱水状態です。
全身の血液がドロドロに濃縮し脳硬塞を引き起こしやすくなっている状態です。
つまり毎晩高温のお湯に浸かっているということは、危険な脱水状態になっていることと同じになります。

■入浴とPAI(パイ)の働き
42℃以上のお湯に入っていると、PAI(パイ)という物質が血管内に放出されるという研究もあります。
PAI(パイ)とは血管壁(けっかんへき)の中に存在する細胞物質のことで、出血すると血液中に大量に放出され、血小板を刺激し結合し易くさせます。
PAI(パイ)は本来止血(しけつ)のための物質なのですが、42℃以上のお湯に浸かっていると体表面近くの毛細血管が刺激を受け、出血した時と同様に大量のPAI(パイ)が血管内で出てしまいます。
つまりちょっと熱めのお湯に入ると血液が固まりやすくなってしまうと言われています。
そんな状態で熱いお風呂から寒い脱衣所に移動すると、急激な温度変化で血管は一気に収縮して血栓を押し流し、脳硬塞や心筋梗塞になる危険性が高くなってしまいます。

■中高年は少しぬるめの入浴を
風呂場での脳硬塞・心筋梗塞は、お湯の温度と湯船に浸かっている時間が大きく関係しています。
一般的に年齢が高くなるほど暑さや寒さに対する感受性は低下するため、浴槽の水温は高く入浴時間は長くなりがちです。
だからこそ中高年の方は少しぬるめと感じる程度の入浴が勧められています。
冬場はお湯と浴室の温度差が大きいので、いきなり湯船に浸かると危険な血圧上昇を招く恐れがあります。
身体のどの部分でも温度差を感じると血圧は上がります。

■入浴中のめまい
お風呂場で起きる「めまい」は、皮膚近くの血管に血液が集まり頭の血液量が少なくなるために起きます。
ゆっくり立ち上がれば「めまい」は起きにくくなります。
もし「めまい」が起こったときは、その場でしゃがみまずに浴槽から出て横になるようにしましょう。
浴槽でしゃがんだままだと溺れてしまう危険性があります。

■半身浴
半身浴は心臓や肺への負担が少ない入浴法になります。
しかし半身浴でも長時間だと体温の上昇で脱水状態になる危険性があります。

■正しい入浴法
半身浴の場合は、みぞおちの下くらいまでのお湯に浸かり、40〜41℃のお湯で20〜30分ほど浸かるのが理想的になります。
全身浴であれば、肩が出るくらいのお湯に浸かり、40〜41℃のお湯で15〜20分ほど浸かるのが良いそうです。
入浴前と後に、コップ1杯(200cc)の水を飲むことも大切です。
正しい入浴法を守っていれば身体が健康的に温まる以外に、疲労回復や免疫力を高める効果もあると言われています。
入浴後の体温が37.5度に上昇すると、身体の中でNK細胞という免疫に関する細胞が適度に活性化。
するとカゼなどの感染症に対しての抵抗力が高まると言われています。