疲れ目!隠れ斜視、隠れ遠視、外眼筋、毛様体筋!

疲れ目!隠れ斜視、隠れ遠視、外眼筋、毛様体筋。隠れ斜視(かくれしゃし)による外眼筋(がいがんきん)の酷使が目の疲れを引き起こす。隠れ斜視による毛様体筋(もうようたいきん)の酷使が目の疲れを引き起こす

■疲れやすい目チェック方法(カバーテスト)
検査を受ける人と検査をする人が1m程の距離で向かい合います
検査を受ける人は眼鏡やコンタクトレンズをしたままでOKです
まず検査をする人は相手の目から40cm程の離れた場所で人差し指を出します
そして検査を受ける人の片方の目を片手で隠します
検査を受ける人は相手の指先を見ます
覆われた方の目もつぶらずに同じく指先を見るようにします
次に検査をする人はそこから相手の目に向かって指をゆっくり近づけていきます
相手の目から10cm程まで近づけたらいったん戻し、今度は左右に20cm程ゆっくり動かします
検査を受ける人はそこまでの指の動きをしっかり目で追います
最後に検査をする人は相手の目を覆っている方の手を横にすべらすようにはずします
このときもし疲れやすい目であれば黒目が動きます

■VDT症候群と目の疲れ
VDT症候群とは、パソコン作業による目の疲れが引き起こす様々な健康障害のことです。
長時間パソコンの画面に向き合った状態でいると、目の表面が乾くドライアイや頭痛、肩こりなど様々な症状が引き起こされることがあります。

■自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)
自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)とは、生命の維持を司る自律神経のバランスが乱れることで頭痛なや吐き気などの全身症状を引き起こす病です。
主な原因はストレスによるものと考えられています。

■隠れ斜視(かくれしゃし)と目の疲れ
そもそも斜視とは、先天的な要因などで目が別々の方向を向いた状態のことです。
両目で物を見ることができないものの、それ自体は病気ではありません。
隠れ斜視とは、ごく軽度の斜視のことです。
外見上はまったく分かりませんが、目の向きが外側や内側にわずかにズレている状態です。
しかしこれはめずらしいことではなく、実は多くの日本人が隠れ斜視だといわれています。
カバーテストを行って目が動く人は、ズレの大小はあれ隠れ斜視である可能性が高い状態にあります。
隠れ斜視は普通に生活している分には特に問題はありません。
パソコン作業などで長時間近い距離の物を見続けることが原因の一つとなっています。

■外眼筋(がいがんきん)の酷使が目の疲れを引き起こす
正常な状態の目は何もしていなくても真直ぐ前を向き、そのままピントを合わせて物を見ることができます。
しかし一般的な隠れ斜視の人は目がわずかに外を向いていることが多く、物を見るとき目を内側に動かして正常な位置に戻さなければなりません。
このとき目を動かしているのが眼球の外側にある外眼筋(がいがんきん)という筋肉です。
つまり長時間近い物を見ようとすればするほど外眼筋(がいがんきん)は片目のズレを正常な位置に保ちつづけなければならず、目を酷使して疲労が蓄積してしまいます。
片目の外眼筋(がいがんきん)に異常な疲労が溜まると脳はその目に休むように指示を出し、片目だけの状況で文章を読んでしまいます。
ところがその行を読み終えて次に読む場所を探そうとした瞬間、それまで休んでいた片目が復活、その片目に近い行をとらえてしまいやすくなります。
さらにそんな状態を放置していると目だけではなく、様々な全身症状を引き起こしてしまうこともあります。
それが自律神経の乱れです。
外眼筋の疲労が過度に蓄積すると眼球を正常な位置に動かすことが難しくなり、物を正常に見ることができなくなります。
すると目の内部にある自律神経が本来の働きをすることができなくなり混乱し始め、ついには全身の自律神経の乱れへとつながってしまいます。
その結果、頭痛・めまい・吐き気・倦怠感など自律神経失調症の症状を引き起こしてしまいます。

■プリズム眼鏡(斜視改善)
プリズム眼鏡とは、レンズの厚さの傾きが目の向きによる視界のズレを補正し正常に見えるようにしてくれます。

■目の内側にズレる隠れ斜視
隠れ斜視の多くは目が外に向いていますが、この場合はそれほど大きな負担にはなりません。
しかし目の内側にズレている隠れ斜視だと、物を見るとき外眼筋の外側の筋肉を使って目を正常な位置に戻さないといけません。
実はこの外側の外眼筋は内側と比べて細くて薄い筋肉です。
そのためすぐに大きな疲れを感じてしまいます。
斜視の人は、目を動かさないで1点を集中して見続けたりしていると目を酷使することになり、目の疲れが出やすくなります。

■毛様体筋(もうようたいきん)と遠視
そもそも目の疲れとは目の筋肉が疲労した状態のことです。
目には大きく分けて2種類の筋肉があります。
一つは目の外側にある外眼筋です。
これは特に隠れ斜視によって疲労します。
そしてもう一つが目の内側で水晶体というレンズを動かし焦点を調節する毛様体筋(もうようたいきん)です。
人は遠くを見るとき、毛様体筋(もうようたいきん)に力を入れて水晶体を厚くすることで焦点を調節しています。
そのため毛様体筋(もうようたいきん)の疲労は近くを見続けるほど蓄積されてしまいます。
そしてこの毛様体筋(もうようたいきん)の疲労を引き起こす原因として考えられているのが「遠視」です。

■遠視と目の疲れ
そもそも遠視とは焦点が目のさらに奥でむすばれているため、実は遠くや近くがはっきりと見えていない目の状態です。
遠視というと遠くがよく見える目と思われがちですが、見るときに毛様体筋に力を入れて焦点をむりやり合わせているにすぎません。
普通に見ているつもりでも毛様体筋に負担がかかっています。
さらに見る物が近くになればなるほど毛様体筋の負担が増し、パソコンや読書などを長時間続けるとより一層疲労が蓄積してしまいます。

■隠れ遠視による目の疲れ
視力検査では遠視を発見することができず、むしろ遠視の人は遠くまで見える良い目だと判断されてしまいます。
そのため自分が実は遠視だということを知らない人が多くいるそうです。
このような人達は「隠れ遠視」と呼ばれています。
こうして隠れ遠視の人は、自分は目が良いと思いがちです。
そのため知らず知らずのうちに目に激しく疲労を蓄積させてしまいます。
その結果、本当は目の疲れからきている様々な症状の原因がわからず、人知れず悩まされている人々が多く存在しています。

■近視と目の疲れ
近視の人の中にも隠れ遠視と同じ危険性があります。
それは適正以上の度数の高い眼鏡やコンタクトレンスを使っている人です。
いわゆる過矯正(かきょうせい)の人です。
過矯正(かきょうせい)をすると目が遠視とまったく同じ状態になってしまいます。

■隠れ遠視チェック方法(近点距離検査)
まず眼鏡やコンタクトレンズを付けたまま片目を覆い、もう片方の目の前に人差し指を近づけます
そしてしだいに指を離していき指のシワにくっきりとピントが合う位置で止めます
この距離が近点距離になります
この近点距離は年齢によっても違いますが、この距離が正常な範囲を超えてしまう場合、隠れ遠視の可能性が高くなります

20歳代:12cm以内
30歳代:17cm以内
40〜44歳:22cm以内
45〜49歳:32cm以内
50〜54歳:54cm以内
55〜59歳:88cm以内
60〜64歳:139cm以内
65歳以上:380cm以内

■隠れ斜視による疲れ目改善方法
人差し指を左右上下に動かしそれを目で追います
時計まわりに円を描きそれを目で追います
上にいったら反時計まわりの動きも目で追います
1日10セット行うと効果的です

■隠れ遠視による疲れ目改善方法
近くに人差し指を立てしっかりピントを合わせて3秒間見ます
こんどは2〜3m 先の物に目線を送りしっかりピントを合わせて3秒間見ます
これを交互に10回繰り返します
10回を1セットとして1日3〜4セットを行うと効果的です