心臓弁膜症!大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、感染性心内膜炎!

心臓弁膜症!大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、感染性心内膜炎、人工弁置換術、心臓弁形成術!規則正しく生活習慣を身に付けることが予防に。 虫歯にならないように口内を清潔にすることで心臓弁膜症を予防に

■心臓弁
心臓弁は全身に血液を送り出し、心臓内の血液の逆流を防ぐ器官です。
心臓の内部は4つの部屋に分かれています。
全身を巡って酸素が少なくなった血液がまずは右心房へ入り、肺動脈を通って肺へ送られます。
そして肺から酸素を取り込むと左心房を通りまた全身へと送られます。
心臓内には右に2つ左に2つの合計4つの弁が付いています。
血液の一連の流れをスムーズにするため、それぞれの出口に逆流を防ぐ弁が備わっていて、弁膜が逆流を防いでくれています。
心臓弁の大きさは500円玉ほどで、透けて見えるほど薄い膜ですが、1日に10000�もの血液を全身に送り出すため絶えず動く続けています。
生命維持の一旦を担う命の扉であるのが心臓弁です。

■心雑音(しんざつおん)
心雑音(しんざつおん)とは、心臓内で流れる血液が逆流した際に生じる摩擦音になります。

■心臓弁膜症の名医(2011年8月時点)
新東京病院 副院長 心臓血管外科主任部長
岡山大学医学部医学科 臨床教授
医学博士 山口 裕己(やまぐち ひろき)先生

■大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)とは、動脈硬化などで大動脈弁が硬くなり、弁の開きが非常に悪くなることによって全身に十分に血液が戻らなくなる病です。

■僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)とは、様々な原因で弁が分厚く変形し、僧帽弁という弁膜がしっかり閉じなくなることによって血液が逆流する病です。

■心臓弁膜症の症状
・身体がだるく疲れやすい
・運動時に息苦しくなる
・咳が止まらない
・動悸がする
・足がむくむ

循環器に関わる病気なので動悸・息切れ・むくみなどが特徴になります。
自覚症状と心雑音があれば心臓弁膜症の危険性があります。

■心臓弁膜症の主な原因
・生活習慣の悪化
 高血圧や糖尿病、喫煙などが動脈硬化を促進させてしまいます。
・加齢
・リウマチ熱
・先天性

■感染性心内膜炎(かんせんせいしんないまくえん)
細菌が血液の中に入り込み感染し、弁膜に炎症を起こして正常な機能を奪ってしまう場合もあります。
治療されない虫歯などがあると、口の中のバイ菌が虫歯を介して血液の中に入ってしまうこともあります。
弁の異状があると血液の乱流が起こるので、そこにバイ菌が巣くってしまって心臓弁膜症になってしまいます。

■心臓弁膜症の予防
規則正しく生活習慣を身に付けることが予防の一つになります。
虫歯にならないように口内を清潔にすることで心臓弁膜症を予防する事につながります。

■心臓弁膜症の手術法
●右下開胸手術

通常の心臓手術は正中切開という胸の前を20cmほど切開していましたが、右下開胸手術では、右のおちちの下のところを切開して手術を行うため、小さな傷で手術をすることができます。

●人工弁置換術
人工弁置換術とは、弁膜を丸ごと人工弁に取りかえる手術法です。
機械弁は丈夫で長持ちしますが、血液の抗凝固薬を一生服用し続ける必要があります。
生体弁は薬の服用は必ずしも必要としませんが、10〜15年程度で再手術の可能性があります。
機械弁と生体弁にはそれぞれメリットデメリットがあるので、患者の年齢やその後の人生に合わせて選ぶ必要があります。

●心臓弁形成術
心臓弁形成術とは、患者自身の弁や心臓の膜を利用してもう一度「弁」を形成する手術です。
術後の感染症も少なく、形成できる弁がある場合にはとても有効な手術法です。