ヒザ痛対策!変形性膝関節症、関節内郭清術、人工関節、ヒザ痛予防体操

ヒザ痛対策!ヒザ痛予防体操!ヒザ痛は加齢等により軟骨がすり減ることで起こります。変形性膝関節症が進行すると関節内郭清術、骨切り術、人工関節などによる手術が必要になります。日常生活の中での予防も大切です

■ヒザ痛
ヒザに痛みを抱える中高年は2500万人以上とも言われています。
ヒザ痛は30代から始まり50代で一気に加速し、50歳以上では2人に1人がヒザ痛で悩んでいるとされています。

■ヒザ関節
人間のヒザ関節には大腿骨(だいたいこつ)と頸骨(けいこつ)の2つがあり、靱帯に支えられ筋肉によって動かすことが出来ています。
人間のヒザ関節は、骨同士が固定されていないため様々な動きが可能です。
正座をするときヒザは140度以上曲げることができます。
中でも重要なのが軟骨で、大腿骨と頸骨を覆うようにあります。
この軟骨がクッションのように働き、動く際に骨同士の摩擦を減らして衝撃を吸収してくれています。
そのため人間はヒザにあまり負担をかけないでしなやかに動くことができます。

■ヒザ関節と関節液
ヒザの関節部分には関節包(かんせつほう)という袋に包まれていて、その中には潤滑液の役割を持つ関節液に満たされています。
つるつるのヒザの軟骨は、関節液と合わさることで摩擦を軽減してスムーズな動きを生み出しています。
ヒザは軟骨と関節液のおかげで様々な動きに対応することができます。

■ヒザ痛を悪化させる要因
 ・肥満
 ・運動
 ・姿勢
 ・筋力低下
 ・外傷
 ・靴

■ヒザに負担をかける行動
 ・正座から立ち上がる時
 ・高い所から降りる時

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)の進行を防ぐためには、ヒザに大きな負担をかけないことが大切です。
私達は日常生活の中で知らないうちにヒザに負担をかけています。
正座から立ち上がる準備の動きと立つ動きの2段階の動きが必要で、この2段階の動きがヒザに衝撃を与え負担がかかります。
また深くヒザを曲げて降りる時に体重が片足にかかりヒザに負担を与えます。
階段を下りる時は体重の5〜6倍の力がかかります。

■変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、加齢とともにヒザの軟骨自体も老化することで、いままで可能だったヒザの動きに耐えることができなくなり擦り減っていくことで起こります。
擦り減った軟骨の破片は、炎症を起こしたりします。
さらに軟骨が擦り減ってなくなると、骨と骨が直に当たり痛みが生じたりします。
変形性膝関節症は女性に多くみられ、年齢と共にひどくなります。
内側の軟骨が擦り減るとO脚になり、外側の軟骨が擦り減るとX脚になります。

■変形性膝関節症の治療法
変形性膝関節症の治療法としては、保存療法と手術療法があります。
保存療法では、薬を飲んだり、湿布を貼ったりして症状を取ります。

●ヒアルロン酸注射

関節液に含まれる成分と同じヒアルロン酸を注射することで、ヒザの動きを助けて痛みを取り除きます。

■変形性膝関節症の手術療法
●関節内郭清術(かんせつないかくせいじゅつ)

関節内郭清術(かんせつないかくせいじゅつ)とは、内視鏡を使って、削れて毛羽立った軟骨を取り除くことなどで炎症を防ぎます。
傷はあまり残りませんが、症状が軽い人にしか効果が期待できません。

●骨切り術
骨切り術とは、骨の一部をくざび形に切ることで、曲がってしまった関節を真っ直ぐにする方法です。

●人工関節
人工関節は、擦り減って機能しなくなった軟骨と骨を切除し、金属とプラスチックで作られたパーツをヒザにはめ込む手術です。
手術でよっぽどのことがなくれば壊れることはありません。
人工関節を入れてあまり無理な動きをすると、関節と骨の間がゆるむことがあります。
激しいスポーツをする人にはおすすめできません。

■ヒザ痛予防体操
仰向けに寝た状態でヒザを伸ばします。
太ももに力が入ることを意識しながら、片足ずつ上下させます。
できるだけヒザを伸ばすことがポイントです。
1日5〜10分ほど行います。
これでヒザ関節を補う筋肉を鍛えられます。
ヒザが悪いと筋力が低下し、筋力が低下するとさらにヒザが痛くなるという悪循環におちいることがあります。
この悪循環を断ち切るためにもヒザのトレーニングが大切になります。