肩こり解消体操、肩甲骨の柔軟性、僧帽筋と広背筋のバランス、肩こりの原因

■肩こりと僧帽筋(そうぼうきん)のしなやかさ
肩こりは首から肩を覆う僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる筋肉が、何らかの原因でしなやかさを失った状態のことをいいます。

■肩甲骨(けんこうこつ)の可動域の狭さが肩こりの原因に
僧帽筋が硬くなる原因は、肩甲骨が上手く動かせないことが考えられます。
肩甲骨の動きが制限されているために、肩甲骨を動かそうとしても僧帽筋に無理がかかって肩こりが起きます。
肩甲骨は腕と胴体を結ぶ役割を果たしている三角形の骨のことをいいます。
体では鎖骨のただ一点でしかつながっていない極めて独立性の高い骨です。
だからこそ私達は肩甲骨を自由自在に動かして腕を上げたり下げたり回したりすることができます。
健康な人の場合、腕を上げると肩甲骨は60度近く上を向きます。
しかし肩こりの人はそれよりも動きが少なく可動域も少なくなってしまいます。

■広背筋(こうはいきん)が肩こりの原因に
私達が腕を上げる時は、僧帽筋が縮み肩甲骨を引き上げます。
すると引っ張られるように広背筋(こうはいきん)が伸び、腕はそのまま真上に上がります。
反対に腕を下げる時は広背筋が縮んで肩甲骨を下に引っ張り、僧帽筋が伸びることになります。
このように2つの筋肉が上手にバランスを取り合うことで肩甲骨はスムーズに動いています。

■僧帽筋と広背筋のバランスが崩れ肩こりの原因に
僧帽筋は背骨・肩甲骨・鎖骨をつなぐ筋肉です。
広背筋は背骨・骨盤・二の腕をつなぐ筋肉です。
僧帽筋と広背筋はお互いバランスをとっています。
このバランスが崩れると筋肉に無理がかかり肩こりにつながってしまいます。
広背筋を硬くする原因は台所仕事やデスクワークなどで、同じ姿勢を長時間続けることです。
筋肉は伸び縮みさせないと固まってしまう性質があります。
だからこそ同じ姿勢を長時間続けると広背筋は伸び縮みすることを忘れてそのまま硬くなってしまいます。

■肩甲骨の柔軟性チェック
気をつけの姿勢で万歳します。
このとき腕・肩・耳のラインが一直線になれば問題ありません。
肩甲骨が比較的健全に動いていることになります。

■広背筋をほぐす肩こり解消体操
背筋を伸ばしてイスに座ります。
右手の人差し指を立て、右斜め前に腕を伸ばします。
その際に出来る限り腕を伸ばします。
ぎりぎりまで伸ばしたところで深呼吸をゆっくり1回行います。
左手も同じ事を繰り返します。
これを左右3回ずつ行います。
この体操で広背筋が柔らかくなります。
動作をゆっくり行うことで固まった広背筋を無理なくほぐしていきます。

■僧帽筋と大胸筋をほぐす肩こり解消体操
壁に背中を付けた状態で立ちます。
大きく息を吸い込みながら胸を広げ、壁に背中全体がピッタリ付くように押し付けます。
ゆっくり息を吐きながら上半身の力を抜きます。
これを3回繰り返します。
この体操で僧帽筋と大胸筋がやわらかくなります。
大胸筋を伸ばすことで背筋も伸びて自然と姿勢が良くなります。

■正しい姿勢にする肩こり解消体操
壁に向かって立ちます。
このとき両足のカカトを付けて「V」の字を作ります。
そのまま壁を支えに軽くつま先立ちをし、ゆっくり10秒数えます。
そしてカカトを下ろしたら、今度はつま先を軸にして足を「ハ」の字に広げます。
ここで再びつま先立ちし、同じく10秒数えます。
カカトを下ろし、また足を「V」の字に広げて再びつま先立ちし、ゆっくり10秒数えます。
その後も「V」の字と「ハ」の字のつま先立ちで10秒数えながら除々に足を広げていきます。
がんばれるところまで広げたら、今度は逆戻りします。
両足の幅を狭めながら「V」の字と「ハ」の字のつま先立ちを繰り返していきます。
これを一往復したら終了です。
肩こりの人に多いのは体重がカカトにかかるタイプです。
すると後ろに重心がかかり自然と頭が出る前屈みの姿勢になってしまいます。
そのため僧帽筋に負担がかかってしまいます。

この体操では重心を前に意識させ、正しい姿勢に近付けることで僧帽筋の負担を減らしていく体操です。