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■腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について
背骨は小さな骨の椎骨(ついこつ)という骨が縦に積み重なってできています。
腰の部分にある5つ分の椎骨を腰椎(ようつい)といいます。
腰椎の背中側には空間があり、この空間を脊柱管(せきちゅうかん)といいます。
正常な場合は広く保たれていますが、腰部脊柱管狭窄症になると骨などが変形してしまい空間が狭くなってしまいます。
脊柱管には神経の束(たば)である馬尾(ばび)が通っていて、そこから枝分かれした神経根(しんけいこん)が伸びています。
正常な場合は脊柱管に十分なスペースがあるため、馬尾や神経根は圧迫されることはありません。
しかし腰部脊柱管狭窄症により脊柱管が狭くなってしまうと、骨や靭帯などによって馬尾や神経根が圧迫されてしまいます。
その結果、神経が伸びている先の足などにしびれや痛みが現れます。
ただし画像診断などにより圧迫が見られたとしても症状がでないこともあるので、症状が現れた場合は治療を行います。



■腰部脊柱管狭窄症のチェック
太もも・ふくらはぎ・すねにかけてしびれや痛みがある。
しびれや痛みが歩くと強まり、休むと楽になる。
しばらく立っているだけでしびれたり痛くなる。
前屈みになるとしびれや痛みが楽になる。

腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多い病気で、60歳代では20人に1人、70歳代では10人に1人の人が患っているといわれています。

■間欠跛行(かんけつはこう)について
歩き始めは問題ありませんが、しばらく歩いていると足の痛みやしびれが強くなってきて歩けなくなり、前屈みや座ったりして休んでいると楽になってまた歩けるようになります。
この症状を間欠跛行(かんけつはこう)といい、腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状のひとつです。
動き方で症状が出たり出なかったりします。
ただし間欠跛行は他の病気で起こることもあるので、前屈みで楽になるかどうかが腰部脊柱管狭窄症の鑑別のポイントになります。

●間欠跛行の原因
・腰部脊柱管狭窄症
・糖尿病性神経障害
・閉塞性動脈硬化症

■腰部脊柱管狭窄症のタイプ
腰部脊柱管狭窄症には、神経根型、馬尾型、混合型の3つのタイプがあります。

●神経根型
神経根が圧迫されて足の痛みが起こります。

●馬尾型
馬尾が圧迫されて足のしびれが起こります。

●混合型
神経根と馬尾の両方が圧迫され、足の痛みとしびれの両方が起こります。

■馬尾型腰部脊柱管狭窄症の症状
しびれがあるが痛みはない。
しびれや痛みは足の両側にある。
お尻のまわりにしびれが出る。
お尻のまわりに火照りが出る。
歩くと尿が出そうになる。

■腰部脊柱管狭窄症の治療法
腰部脊柱管狭窄症の治療法としては、保存療法と手術療法があります。
保存療法には、薬物療法、神経ブロック、運動療法があります。
保存療法で50〜70%の人は良くなります。

●薬物療法(腰部脊柱管狭窄症の治療法)
・プロスタグラジンE1 :血流改善で症状を緩和
・非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs) :痛み止め
・神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)
・抗不安薬
・抗うつ薬

●神経ブロック(腰部脊柱管狭窄症の治療法)
腰部脊柱管狭窄症を起こしている神経の側に、注射で麻酔薬を注入して痛みやしびれを和らげます。

●運動療法(腰部脊柱管狭窄症の治療法)
自転車に乗ると前屈みの状態で運動することが可能です。

●手術療法
除圧術

神経を圧迫している部分の骨を取り除きます。

椎弓切除術(ついきゅうせつじょじゅつ)
椎弓(ついきゅう)とは腰の骨の後ろの部分で、神経を後ろから覆う部分をいいます。
椎弓切除術(ついきゅうせつじょじゅつ)では、背中から切開して神経を押している部分の骨や靭帯を取り除きます。

■腰部脊柱管狭窄症の注意点
腰部脊柱管狭窄症の症状が出たら放置せず、なるべく早く診断を受けて治療を始めることが大切です。
家の中で閉じこもっていると、それが腰部脊柱管狭窄症の症状の悪循環を生むことにもなります。
積極的に治療を受けることも大切になります。

■腰部脊柱管狭窄症の名医(2014年12月時点)
福島県立医科大学 教授 整形外科
紺野 愼一(こんの しんいち)先生
整形外科で腰痛の診断と治療のエキスパートです。



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