鼻づまりの原因と対処法、アレルギー、鼻中隔湾曲症、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎

鼻づまりの原因としてはアレルギー、鼻中隔湾曲症、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、口の乾きによる線毛の働きの低下などが考えられます。
慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎など治療が必要なものもあるので鼻の不調が気になる人は耳鼻咽喉科を受信しましょう。
鼻づまり対処法として脇を圧迫して鼻の粘膜の血管が収縮して腫れを引かせる方法もあります。

■鼻水について
1日に分泌される鼻水の量は約1.5Lにもなります。
その半分は鼻の粘膜を湿らせて蒸発し、残りは鼻水で出たり胃に流されたりしています。
花粉症や鼻炎になるとさらに500mL以上増えます。

■鼻の奥の構造
鼻の穴の奥は粘膜で覆われた鼻腔(びくう)が広がり、中鼻甲介(ちゅうびこうかい)や下鼻腔介(かびこうかい)といったヒダが空気の出入りを調整しています。
空気はこの隙間をぬって肺に向かいます。

■鼻づまりが起こる仕組み
鼻の粘膜はホコリやウイルスなどの異物が直接肺に入らないように監視する大きな役目があります。
もし異物が粘膜にくっつくとそれを排出しようと粘膜細胞からヒスタミンを放出します。
その結果くしゃみが出て、同時に排出を手助けしようとして粘膜から水分である鼻汁(びじゅう)が大量に出ます。
これが鼻水です。
そしてこれ以上の異物の侵入を防ぐために粘膜が腫れて鼻づまりが起こります。

■アレルギーが鼻づまりの原因
花粉症のある人はアレルギー体質のため他のアレルギーも発症しやすくなります。
花粉のアレルギーがあると季節の変わり目で花粉などが鼻の粘膜につくことで鼻づまりが悪化しやすくなります。
またアレルギーの影響から家のダニ、ホコリ、ハウスダストでも年中鼻づまりが起こりやすくなったりします。

花粉症・ハウスダスト対策には、朝方に掃除をするとよいそうです。
夜眠っている間に空気中に舞っていたダニやホコリが床に落ちてより多くのハウスダストを取り除くことができます。
掃除の際にはマスクをしてハウスダストを吸い込みを抑えることが大事です。

■ネイザルサイクルによる鼻づまり
人間の鼻は交互に閉じたり開いたりしていて、片方の軽い鼻づまりが数時間後にもう片方に入れかわったりしています。
これをネイザルサイクルといいます。
2つある鼻のどちらかひとつを休ませるために左右交互に鼻の粘膜が軽く腫れます。

■鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)が鼻づまりの原因
鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)とは、鼻の穴を左右に分けている鼻中隔という軟骨がくの字などに極端に曲がって空気の通り道を極端に狭くしている病気です。
成長過程で起こる人が多く、常に鼻づまりで鼻血が出やすいなど弊害も多く手術が必要な場合もあります。

■点鼻薬の使い過ぎが鼻づまりの原因
炎症を鎮め粘膜の腫れを解消する点鼻薬ですが、使い過ぎると鼻づまりが悪化する恐れもあります。

■口の乾きが鼻づまりの原因
口が乾くと鼻の線毛(せんもう)の動きが悪くなるので鼻がつまっていきます。
鼻の粘膜には線毛(せんもう)という毛のような組織があり粘液という水分で覆われ、1分間に1cmのスピードでホコリや菌をのどに流し胃で殺菌しています。
線毛の流れを活発にしているのが唾液で、鼻の中の湿度を保ち線毛の働きを活発にさせる働きをしています。
しかし睡眠中や普段無意識で口呼吸をしている人は唾液が蒸発してしまい口の中が乾燥してしまいます。
すると線毛に水分が行かなくなり線毛の活動が鈍ります。
そのため粘膜から細菌が入りやすくなり鼻づまりを引き起こしたりしてしまいます。

口呼吸対策としてはサージカルテープを口に貼ったりすると良いです。
鼻づまりで苦しい人は濡れたマスクなどをすることで線毛を湿らせると良いです。

■口呼吸チェック
・口に不快感がある
・飲み物が手放せない
・滑舌が悪い
・口臭が気になる

一つでも当てはまれば口呼吸の可能性があります。

■慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が鼻づまりの原因
鼻づまりで最も怖いのが慢性副鼻腔炎(蓄膿症)です。
鼻の穴の周囲に4対ある副鼻腔に細菌が入り膿が溜まることで発症します。
通常は1〜2週間で治りますが、1ヶ月以上続くと手術が必要な場合もあります。

■好酸球性副鼻腔炎が鼻づまりの原因
好酸球(こうさんきゅう)とは血液を流れる白血球の一種で通常は免疫として身体を守っていますが、何らかの原因で突然増殖して副鼻腔に入り込むことで好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)を発症します。
一般的な蓄膿症に比べて治りにくく難病にも指定されています。
好酸球性副鼻腔炎の特徴は嗅覚が鈍くなって鼻づまりが起こり、場合によってはネバネバした粘液が溜まってくることです。
ぜんそくの患者さんに合併することが多いいわれています。

■鼻づまり解消法
鼻づまりが起きている反対側の脇を下にして圧迫すると鼻づまりが良くなります。
右の鼻がつまっている場合は、左の脇を下にして横向きに寝ます。
すると圧迫された脇の反対側である右の鼻の粘膜の血管が収縮して腫れが引きます。
日中寝転がれない場合は、ペットボトルを使って脇を圧迫すると同様の効果が得られます。