心不全と足のむくみ、動脈硬化と間欠性跛行、下肢静脈瘤と足のかゆみ、浮き指と腰痛・肩こり

足の痛み・むくみ・かゆみ・しびれなどの症状の中には危険な病気が隠れている場合もあります。
心不全などにより心臓の機能が低下すると足のむくみが起こったりします。
動脈硬化により血管が詰まると間欠性跛行の症状が起こったりします。
下肢静脈瘤により血管の弁が壊れると足のかゆみが生じたりします。
浮き指により体のバランスが崩れるとと腰痛・肩こりの原因になったりします。
高血圧は心不全の原因疾患なので高血圧の対処が大切です。

■心不全による足のむくみ
心不全とは心臓のポンプ機能に障害が生じて血液の流れが滞る病気です。
心臓の機能が低下して血の巡りが悪くなると、血管の外に体液が漏れ出して足のむくみが起こったりします。
私達の体の中では常に血管と細胞の間で体液が循環していて、この体液によって栄養分が運ばれています。
しかし血流が滞ってしまうと栄養を運び終えた体液が回収されにくくなり、余分な体液が細胞に滞ってしまいます。
その体液は重力がかかる下半身に溜まりやすいため足にむくみが起こります。

心不全の原因は様々ありますが中でも生活習慣病が原因として多く、特に高血圧が原因になることが多いといわれています。
心不全になる人の6割が高血圧だといわれています。
心不全は早期発見・早期治療が大切になります。

■閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行
間欠性跛行とは、しばらく歩くと足に痛みが出ますが少し休むとまた歩けるようになる症状をいいます。
人は歩くとき筋肉がエネルギーを必要とするため足を流れる血液の量が2〜3倍増加します。
しかし動脈硬化によって血管が詰まると血液が行き渡らなくなり足に痛みが出て歩けなくなります。
これが閉塞性動脈硬化症の特徴となっています。
もう少し病状が進行すると安静にしていても血流が足りないので痛みが出る場合があり、そうなると下肢切断に繋がる危険が高まります。
動脈硬化は全身に起こっているので足以外の病気にも問題が起こりやすくなります。
足の血流が足りない場合、人間の体はそれに対応するためにバイパスする血管が形成されるといわれています。
そのため運動を続けることによって血が足りない際に足が与えてあげることが大切になるそうです。

脊柱管狭窄症は閉塞性動脈硬化症と症状が似ていて、歩いていると足に痛みやしびれが起こります。
気になる人は病院で検査を受けましょう。

■下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)による足のかゆみ
足の静脈は血液を体の上の方へ送っているため逆流を防ぐための弁があります。
ところがその弁のひとつが壊れてしまうと、他の弁にかかる圧力が増して次々に壊れて血液が逆流し足がむくんでしまいます。
これが下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)です。
そのほとんどは血管が浮き出るような症状ですが、むくみがあまり出ずにくるぶし付近の薄い皮膚に炎症が起こり、かゆみが出ることがあります。
下肢静脈瘤は調理師や美容師、店頭販売員など長時間立ち仕事をしている人になりやすい傾向があります。
そういう人は下肢に圧力をかけないように適度に休憩をとるなどの対策をとると良いそうです。

■女性の足のむくみ
女性は一般的に男性に比べてむくみやすいといわれています。
実際、夕方になると7割の人が足がむくんでくるといわれています。
1日の終わりに足のむくみが起こる人は特に問題はないそうです。
気になる人は一度検査を受けた方がよいです。

■浮き指と腰痛・肩こり
浮き指とは地面から足の指が浮いている状態をいいます。
現代人の男性6割、女性8割が浮き指になっているといわれ、その中で腰痛に悩まされている人は66.9%、肩こりに悩んでいる人は62.8%となっています。
浮き指になっている人の多くが腰痛や肩こりに悩んでいるというデータもあります。

浮き指になるとかかと立ちになるため、体の中心が後ろ側に移動します。
すると首を前に突き出しバランスを保とうとするため猫背のようになり、首から腰にかけて負荷がかかります。
これが腰痛や肩こりの原因になると考えられています。
浮き指の多くの原因は靴にあるといわれています。
日本人は脱ぎ履きがしやすい大きめな靴を履きがちです。
大き目の靴だと靴が脱げないように指を上に反らすため指が浮いた状態になります。
女性の場合、ヒールのある細い靴を履くと指同士が圧迫され真ん中の指が浮いた状態になるため浮き指になりやすいそうです。

■浮き指チェック
ハガキほどの薄い紙を用意します。
指の下に紙が入る場合は浮き指の可能性があります。
一人で行う場合は、あらかじめ床に敷いた紙の上に乗り、このとき足指に感覚が無い場合は浮き指の可能性があります。

■浮き指の改善体操
片足の足指の間に手の指を入れます。
そのまま甲側に曲げて5秒間キープします。
足裏側に曲げて5秒間キープします。
両足それぞれ1日10セット行います。