壁を使った腰痛改善法、過度の安静が腰痛を長引かせる原因、背骨チェック、背骨をS字状にキープ

腰痛で苦しむ推定患者数は約2800万人ともいわれ、日本人の5人に1人が腰痛で悩まされているといわれています。
腰痛の原因をはっきりさせることは簡単ではなく、約85%の人が原因不明の腰痛といわれています。
腰痛を長引かせる人は悪い癖があり、それが腰痛を悪化させていると考えられています。

■過度の安静が腰痛を長引かせる原因
腰をかばって安静にすることが腰痛を悪化させ長引かせる原因になると考えられています。
腰痛の患者さんは痛みから安静にして動かなくなりがちです。
過度に安静にしてしまうと筋肉の質や力が低下して背骨を支える力も低下してしまいます。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や多裂筋(たれつきん)といった背中の筋肉がやせ細っていってしまいます。
その結果、背骨をS字状にキープすることができなくなり、なだらかなカーブが失われてしまいます。
本来背骨がS字状であれば全体がたわむことで身体にかかる負担を分散できます。
しかし真っ直ぐになった背骨では負荷は1点に集中しやすくなります。
そのため腰痛がどんどん悪化するという負のスパイラルにおちいってしまいます。

人間の身体は年齢と共にガタがきて腰痛も起こりやすくなっていきます。
しかし腰痛を気にし過ぎないで身体を動かすことが大事になります。
腰を痛めた直後の急性期以外は、痛みに応じて動けるならば動いて普段の生活をした方が腰痛が改善しやすくなります。

■背骨の状態チェック
壁の前に立ちます。
かかと・お尻・背中を壁にぴったりつけます。
目線が真っ直ぐ前を向くようにアゴを引きます。
この状態で頭の後ろが壁にぴったりつけば問題ありません。
頭が壁につかなければ背骨を支える筋肉が衰えていて、背骨のS字カーブが失われている可能性があります。

■壁を使った腰痛改善法
壁に向かい壁から10センチほどのところに立ちます。
足はそのままの位置で壁に両手・両ヒジをつきます。
息を吐きながら両手を壁伝いに上げていき、胸を壁にぴったりつけます。
身体全体を30秒伸ばします。
身体を伸ばしたまま片方の足を後ろに上げて10秒間キープします。
逆の足も同様に行います。
片足5回ずつで1セット、1日3セット行います。

このストレッチによって背骨を支える様々な筋肉が柔軟さを取り戻して鍛えられます。
結果、真っ直ぐになった背骨がもとのS字に近い状態に戻り腰痛の改善につながります。

■腰痛治療の名医(2017年12月時点)
福島県立医科大学 会津医療センター
整形外科・脊椎外科 教授
白土 修(しらど おさむ)先生
腰痛のスペシャリストとして年間400件以上の脊椎の手術を執刀し、約3万人以上の患者さんを救ってきた腰痛治療の名医です。
腰痛診療のバイブル、腰痛診療ガイドラインの作成院長もつとめる日本屈指の腰痛治療の名医です。
全国各地から年間1万5千人以上の患者さんが訪れています。