ピロリ菌と胃潰瘍・胃ガン!ストレス・喫煙などの影響、除菌治療!

ピロリ菌と胃潰瘍・胃ガン!ストレス・喫煙などの影響、除菌治療。ピロリ菌が粘液を減らし、そこにストレスが追い討ちをかけ、その結果胃潰瘍になってしまいます。胃ガンのリスクを上げる要因は高血糖・喫煙・塩分

■ピロリ菌と胃潰瘍
ピロリ菌は胃潰瘍(いかいよう)や胃ガンの原因になる菌で、実は胃ガン患者のほぼ全員がピロリ菌の感染者と言われています。
ストレス単独では胃潰瘍(いかいよう)にはならず、ピロリ菌の感染が胃かいようの前提条件と考えられています。
これまではストレスが増えると胃酸が増え、胃酸が胃壁を攻撃して胃潰瘍(いかいよう)になると考えられていました。
しかし胃潰瘍(いかいよう)にはピロリ菌が介入しているとことが分かってきました。

■ピロリ菌の働き
ピロリ菌は胃液に含まれる物質からアンモニアを取り出して胃酸を中和しています。
またピロリ菌は体から飛び出している突起(とっき)を胃の壁に刺して毒液を注入しています。
胃の壁の中には胃液を出す細胞がたくさん含まれています。
ピロリ菌はこの細胞を殺すことで苦手な胃酸を減らしています。
こうして程よく胃酸を減らしていきながら胃の中で生存し続けています。

■ピロリ菌とストレスが胃潰瘍を引き起こす
ピロリ菌は胃壁と胃酸の間にある粘液に生息しています。
そして胃壁の中の細胞を攻撃して胃酸の出る量を減らし、さらに同時に粘液を出す細胞も攻撃しています。
すると粘液自体が減ってしまいます。
粘液が減った状態でストレスが加わると血流が悪くなり、粘液の分泌がさらに減ってしまいます。
そしてこの状態でさらにピロリ菌が細胞を攻撃すると、粘液の分泌がさらに減ってしまいます。
そうこうしているうちに胃酸は胃壁を直接攻撃するようになってしまい胃潰瘍(いかいよう)になってしまいます。
胃潰瘍(いかいよう)を繰り返している人は、ピロリ菌がいるということになります。
胃潰瘍(いかいよう)は薬による副作用によって引き起こされることもあります。

■今すぐにピロリ菌を除菌した方が良い人
・胃潰瘍(いかいよう)を繰り返している人
・十二指腸潰瘍になっている人(9割がピロリ菌が一因となっている)
胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断された人の場合は、除菌に保険が適用されるそうです。

■なるべく早くピロリ菌を除菌した方が良い人
・ストレスのある人
ピロリ菌がいると胃潰瘍(いかいよう)になりやすいのでなるべく早く検査をし、ピロリ菌を発見したら速やかに除菌をした方がよいそうです。

■ピロリ菌と胃ガン
毎年5万人もの人が亡くなっている胃ガン。
実はその98%の人がピロリ菌感染者という報告もあります。
ピロリ菌に毒素を注入された胃壁細胞はすぐに死んでしまうわけではなく、刺されると少しずつ姿形が変わってき最後には自滅します。
人に細胞は自滅することでガン化することを防ぐ能力があります。
しかしピロリ菌が攻撃しても自滅出来ないと姿形が変わっていきガン化してしまいます。

■胃ガンのリスクを上げる要因
・高血糖
・喫煙
・塩分

■ピロリ菌は除菌しても油断は禁物
除菌することで胃ガンのリスクを下げることは出来ます。
しかし実際に胃ガンが内視鏡等で見つからなくても、すでに小さく出来てしまっている場合があります。 除菌した時にすでに小さなガンがあって、それが除菌後に成長してガンになるということもあります。

■ピロリ菌感染、委縮性胃炎(いしゅくせいいえん)
ピロリ菌はだいたい5歳くらいの時に感染すると言われています。
一度感染すると除菌しない限り一生感染が持続します。
感染が長く続くと胃壁へのダメージが大きくなってくるので様々な病気を起こすリスクが上がってきます。
炎症が長く続くことで委縮性胃炎(いしゅくせいいえん)といった状態が起こりえます。
委縮が強くなればなるほど胃ガンのリスクが高くなってきます。

■ピロリ菌感染の検査方法
・呼気検査(検査薬を飲む前と後で息を取り、含まれる二酸化炭素濃度の割合を調べます)
・内視鏡検査(組織を一部採取し、その中にピロリ菌がいるかどうか調べます)
・血液検査(ピロリ菌に感染していると抗体が出来るのでそれを調べます)
・尿検査

■ピロリ菌の除菌方法
抗生物質を飲む(1日2回で1週間服用)
ピロリ菌に非常に強い抗生物質を2種類と、胃酸を抑える薬1種類 除菌成功率は約80%ぐらい。
除菌に失敗した場合、薬の種類を変えて再チャレンジできるそうです。
これで97%の人が除菌可能だそうです。
除菌治療は軽度の副作用を伴うこともあります。
検査・除菌でだいたい5万円ほどだそうです。