大人の気管支喘息・ぜんそく!慢性剥離性好酸球性気管支炎、好酸球!

大人の気管支喘息・ぜんそく!慢性剥離性好酸球性気管支炎、好酸球!大人の喘息(ぜんそく)を治すためには早い時期に病院に行って診断をしてもらい、早くから治療することが大切。吸入ステロイド、ピークフローメーター

■喘息(ぜんそく)
喘息(ぜんそく)は大人になってからかかる人が多くいます。
子供の喘息(ぜんそく)の場合は7割ぐらいが大人になる前に治ってしまいますが、大人の喘息(ぜんそく)の場合は治るのはわずか2割程で治りにくいものとなっています。
亡くなる人の数も、子供の喘息(ぜんそく)より大人喘息(ぜんそく)の方が圧倒的に多い状態です。
子供の場合ほとんどがアレルギーで起こりますが、大人の場合は原因物質が明らかにアレルギーではありません。

■好酸球(こうさんきゅう)が咳の正体
好酸球(こうさんきゅう)は白血球の一種で、日頃は寄生虫を撃退する役割をしています。
カゼのウイルスは体内に入ると、ノドや気管支の細胞の中に潜り込んで増殖を始めます。
すると樹状細胞(じゅじょうさいぼう)やリンパ球などの免疫細胞がウイルスを攻撃します。
さらにSOS信号が気管支から放出されます。
そしてこの信号に反応するのが好酸球(こうさんきゅう)です。
普段は血液中を流れながらパトロールしている好酸球(こうさんきゅう)が一気に気管支に大集結します。
ところが好酸球(こうさんきゅう)はウイルスがいようがいまいが気管支の細胞をどんどん攻撃していきます。
その結果、気管支の表面の細胞がボロボロに剥がれ落ちてしまいます。
そのため神経がむき出しになってとても敏感な状態になります。
こうなるとわずかな刺激でも気管支が収縮して咳が出てしまいます。
好酸球(こうさんきゅう)の大暴走、これがカゼの後に長引く咳の正体です。
好酸球(こうさんきゅう)が集まってくるような状態が長く続くと、より好酸球(こうさんきゅう)が集まるようにと、私達の身体は血管を増やしてしまいます。
するとますます好酸球(こうさんきゅう)が集まり、さらに細胞がボロボロに壊されてしまいます。
大人の喘息(ぜんそく)は慢性剥離性好酸球性気管支炎と言います。

■気管支と平滑筋(へいかつきん)
気管は2つに枝分かれしたとたんに気管支になります。
二つ二つと枝分かれしていき、最大で23回枝分かれし、100万本もの細い管になります。
そしてその細い気管支の先の一つ一つに肺胞(はいほう)と呼ばれる袋がついていて、二酸化炭素と酸素を交換しています。
気管支には平滑筋(へいかつきん)という筋肉が巻かれています。
ウイルスが進入すると気管支表面の細胞がセンサーとなって外敵を発見します。
すると粘液がウイルスを捕らえます。
そして平滑筋(へいかつきん)が通り道を狭めて気管支自体を粘液で詰まらせます。
そして同時にこの平滑筋(へいかつきん)はあるスイッチを押して私達に咳(せき)をさせます。
それによってタンとしてウイルスを吐き出します。

■平滑筋(へいかつきん)が窒息状態を引き起こす
好酸球(こうさんきゅう)の働きで中がボロボロになってしまっている気管支では、何とか肺を守ろうとして粘液が出易くなっています。
しかも傷付けられた気管支では、それを修復しようとしてある化学物質が出ます。
化学物質が出ると平滑筋(へいかつきん)が太くなります。
しかし平滑筋(へいかつきん)は内側に太くなっていくため、結果気管支の中が狭くなってしまいます。
こんな状態のときにちょっと余計に気管支がしまってしまうと完全に塞がってしまいます。
そのためそれ以上先には空気が行かなくなるため、窒息状態になってしまいます。
何かのきっかけで、平滑筋(へいかつきん)が少し縮んだつもりなのに、それがものすごく大きな縮まりとしていっせいにしまることにより、窒息状態が起こってしまいます。

■気管支が窒息状態を引き起こすきっかけ
・カゼ
・疲労
・ストレス
・低気圧などの気圧の急激な変化
・外に出たときの乾いた冷たい空気
・怒りなどの激しい感情の高ぶり
・香水やタバコなどの刺激のある匂い

■大人の喘息(ぜんそく)
大人の喘息(ぜんそく)は、好酸球の暴走と肺の緻密な構造により窒息を招いて起こります。
肺は外からは見えない臓器です。
咳や息切れは健康な人では出ない状態であり、唯一の危険信号になります。
大人の喘息(ぜんそく)の検査は呼吸器内科やアレルギー内科で検査が出来ます。
一酸化窒素の測定器によって調べます。
好酸球が多いと一酸化窒素が高い値が出ます。
大人の喘息(ぜんそく)は一酸化窒素の検査に加え肺機能検査も行います。

■大人の喘息(ぜんそく)の疑いがある人
・アレルギー体質の有無(家族歴を含む)。
 アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、家族で喘息(ぜんそく)の人がいるか。

・深夜から早朝にかけて咳、息切れ、または「ゼーゼーヒューヒュー」する。

・カゼの後3週間以上咳が続くことが何度もある。
 咳が2ケ月以上長引くことが何回もある人は精密検査を受けましょう。

■喘息(ぜんそく)の治療法
●ステロイドの吸入

喘息(ぜんそく)の治療は吸入ステロイドが基本です。
ステロイドは好酸球に直接作用し数を減らしていきます。
そのため気管支の炎症が抑えられ除々に出にくくなります。
吸入ステロイドは効果がマイルドで副作用が非常に少なく、妊婦の人がずっと吸入していても大丈夫で安心だそうです。

●ピークフローメーター
何時起こるか分からない喘息(ぜんそく)の発作のために、毎日ピークフローと呼ばれる呼吸量を調べます。
急に低下し始めたら喘息(ぜんそく)の発作の前兆です。
そんな時は事前に薬を飲むことで喘息(ぜんそく)の発作を抑えることができます。
吸入ステロイドの治療を行うと、あっという間に症状が無くなっていきます。
すると治ったと勘違いして止めてしまう人がいます。
しかし好酸球はそう簡単にはいなくなりません。
気管支にずっといて、症状が無くなっても炎症が続いている状態があります。
そういうときにまたカゼを引いたり、ウイルス感染を起こすと発作が起きてしまいます。
1割か2割の人は治せると分かってきているので、治すためには早い時期に病院に行って診断をしてもらい、早くから治療することが大切になります。