慢性腎臓病!毒素の排出、クレアチニン、糸球体、メタボ!

慢性腎臓病!慢性腎臓病は、生活習慣などの乱れから腎臓の働きが除々に低下していく病気。メタボリックシンドローム。慢性腎臓病と心筋梗塞に深い関わりがあます。慢性腎臓病は自覚症状がないうちに進行する

■老廃物と毒素
食べ物として身体に入った栄養は筋肉でエネルギーになった後、燃えカスのような物質に変化します。
これが老廃物つまり身体にとっての毒と呼ばれる物です。
この老廃物の毒をうまく身体の外へ出さないと、生活習慣病など恐ろしい病を招く危険性があります。
そのため毒は汗や便などによって常に外に排出する必要があります。
中でも最も重要な毒出しを担っているのが尿です。 尿は身体を守る最大の毒出し機能になります。
毒が身体に溜まっていると人体に様々な害を与えてしまい、最悪の場合死に至ることもあります。

■クレアチニンの毒素
クレアチニンとは体内に存在する代表的な毒の一つです。
誰でも日常生活の中で筋肉を使った時などに老廃物として作られる物質です。
日本人の8人に1人はこのクレアチニンが十分に体外に排出できていないとされています。

■メタボリックシンドロームと腎機能の低下
肥満や高血圧はメタボリックシンドロームの特徴。
毒が出せない身体とメタボには深い関係があります。
メタボリックシンドロームになると腎臓がダメージを受けます。
メタボリックシンドロームでダメージを受けると、腎臓の機能が低下してしまいます。
その結果、毒を十分に尿から出せなくなってしまいます。

■腎臓の働き
腎臓は腰の背骨の両脇、背中に近い場所にある臓器です。
左右に2つあり、そら豆のような形をしています。
大きさは男性も女性もこぶしより少し大きいほどで、重さは一つ15gほどで丁度レモン一個ほどの重さになります。
この腎臓で尿が作られています。
腎臓は身体の下水処理場のようなものです。
毒が混じった血液が腎臓を通ると、この血液をろ過します。
毒や不要物、余った水分などをろ過して排出し、キレイになった血液を全身に戻しています。
全身の血液は約5分に一度腎臓を通過、1時間に12回、1日288回も全身の血液が腎臓を通り毒がろ過されています。
それほど腎臓は働きものの臓器です。
しかし乱れた食生活や運動不足といった生活習慣によってメタボリックシンドロームになると、腎臓に負担がかかり毒を排出するろ過機能が落ちてしまいます。

■糸球体
腎臓は血管の臓器でもあります。
腎臓の血管の先は細くなり毛細血管となっています。
腎臓の毛細血管は糸球体という特殊な形をしています。
この糸球体で血液はろ過されています。
糸球体は直径0.2mmほど小さな塊で、一つの腎臓には100万個ほどあります。
毛細血管の壁には網目のように穴が開いていて、タンパク質などの必要な栄養素は排出せず、毒だけを排出しています。
血管がダメージを受けると穴が塞がってしまいます。
すると水分も出せなくなるので透析が必要になります。

■タンパク質の排出は要注意
糸球体がダメージを受けると、網目が完全につぶれる前に穴が広がるという変化が起きます。
そうなるとタンパク質も尿に排出されてしまいます。
タンパク質が尿から検出されたら要注意です。

■慢性腎臓病

慢性腎臓病は、生活習慣などの乱れから腎臓の働きが除々に低下していく病気です。
するとだんだん毒素を身体から出せなくなってしまいます。
慢性腎臓病の患者数は推定1300万人以上とも言われています。
日本人の8人に1人が毒素を出せないというのは慢性腎臓病のためと考えられています。

■慢性腎臓病と心筋梗塞
実は最近、慢性腎臓病と心筋梗塞に深い関わりがあることが分かってきました。
慢性腎臓病になってしまうと血液から毒素をこし取る糸球体が死んでいくため、毒素が出せず身体に溜まり続けてしまいます。
すると血液中に溜まった毒素が腎臓の血管をますます傷付け、糸球体の破壊が加速してしまいます。
どんどん血液に毒素が溜まり、さらに腎臓の働きが低下していきます。
これこそが毒の増加スパイラルです。
最新の研究ではコレステロールや中性脂肪が正常でも、血液に毒素が増えると血管の内側が傷付き動脈硬化が進行することが分かってきています。
慢性腎臓病が恐ろしいのは、たいした自覚症状がないうちに進行し、腎臓が大きなダメージを受けることです。
だからこそ尿にタンパク質が出たり、強いむくみや疲労感に襲われたら、直ぐに腎臓の詳しい検査を受けることが大切です。
健康だと思っていても40歳を超えたら年に一度は尿と血液の検査を行い、腎臓の検査で腎臓の機能をチェックすることも大切です。