骨盤底筋体操で尿トラブル改善、頻尿、尿漏れ、過活動膀胱、前立腺肥大、睡眠障害、夜間多尿

人間の尿の量は体重×25mLで計算できるので、体重が60kgの人の場合は1.5Lほどになります。
健康な人ではこれを日中6回前後に分けて排尿されます。
排尿時間は21秒ほどといわれていますが、年を重ねるほど排尿時間が長くなっていきます。

■前立腺肥大
男性で排尿時間が長くなると前立腺肥大の可能性があります。
前立腺は膀胱の下にあり、その中を尿道がトンネルのように通っているので前立腺が肥大すると排尿に時間がかかるようになってしまいます。
年とともに前立腺が肥大していきおしっこが出にくくなることが多いです。

■男性のちょい漏れ
前立腺が肥大して尿道が圧迫されると排尿時間が伸びるだけでなく、尿が出切らずに残尿感を覚えることもあります。
前立腺の下の会陰部(えいんぶ)というところが少しカーブしているため尿が溜まってしまい、溜まった尿が後から出てきてしまうことがあります。
ズボンをしっかり下げるとちょい漏れを防ぐことができます。

■尿意
正常な人の排尿回数は3〜4時間に1回で、1日に7回以下の排尿とされています。
膀胱に60%ほど尿が溜まると尿意を催すといわれています。

■過活動膀胱(かかつどうぼうこう)による頻尿
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは、膀胱の尿意を感じるセンサーや膀胱と脳をつなぐ神経にトラブルが起きることで溜まった尿の量を誤認識してしまう状態をいいます。
また老化や生活習慣などによる影響で膀胱の血流量が低下すると弾力性が衰え尿を蓄えられなくなります。
頻尿の人は尿意を催したら1〜2分我慢すると尿意が和らぐそうです。
続けることで尿意をコントロールすることができるようになるそうです。

■尿漏れの原因
・腹圧性尿失禁
・切迫性尿失禁
・気を抜くと尿漏れする

●腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)
腹圧がかかると尿漏れが起こる人は、尿道を締める際に働く骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)が関係しています。
骨盤底筋群が加齢などにより衰えると尿道がゆるみ腹圧でも尿漏れしてしまいます。
またくしゃみなどの腹圧が原因でも尿漏れします。

●切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)
切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)は急に尿意を催すものをいいます。
切迫性尿失禁は過活動膀胱など膀胱にトラブルがある可能性があります。

●気を抜くと尿漏れする
リラックスした時に尿道が緩んで尿漏れが起こる人は骨盤底筋群の衰えが主な原因として考えられます。

■骨盤底筋体操で尿漏れ改善
お尻の穴を3〜5秒間締めて緩めます。
それを20回を行います。
朝昼晩これを1セットずつ行います。

■夜間頻尿
・過活動膀胱
・睡眠障害
・夜間多尿

●過活動膀胱
あまり尿が溜まっていなくても膀胱が反応して起こります。

●睡眠障害
加齢で睡眠が浅くなると、少しの尿意でも目が覚めてしまいます。

●夜間多尿
昼間に下半身に溜まった水分が寝ることで腎臓に運ばれ尿になってしまいます。

夜間頻尿には骨盤底筋体操で尿漏れ改善するとよいです。
体操などでも改善されず過活動膀胱が原因の場合は、膀胱の過剰な収縮を抑える薬があります。
夜間多尿の場合はウォーキングなどで下半身の筋肉を鍛えて水が溜まらないようにするとよいです。
夜間に作られる尿の量が減れば眠りが浅くても尿意で起きる回数が減ります。

■尿トラブル治療の名医(2018年2月時点)
日本大学医学部附属板橋病院 医学部泌尿器科学系主任教授
医学博士 高橋 悟(いたばし さとる)先生