青魚のEPAには善玉コレステロールの吸う力をアップさせて動脈硬化の予防効果が期待されています。
生活習慣を改善して善玉コレステロールの吸う力をアップすることが大切。
善玉コレステロールの吸う力をアップするにはサバ缶・ナッツ・緑茶・ウォーキングが効果的。

■コレステロールの善玉と悪玉の働き
悪玉コレステロールは血液の中を通って細胞膜の材料になるコレステロールを全身に届けていますが、食生活が乱れたりすると血管内に悪玉コレステロールが増え過ぎてしまいます。
善玉コレステロールはこの余分なコレステロールを回収してくれます。

悪玉コレステロールはもともと体の材料になる必要不可欠なものでもあります。
しかし増え過ぎてしまうと余分なコレステロールを血管内にばらまいてしまい、これがプラークの原因となって血管を狭くしてしまいます。
血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
善玉コレステロールをプラークから余分なコレステロール吸い取って正常な状態に戻してくれます。

■善玉コレステロールの「吸う力」と病気の深い関係
善玉コレステロールには余分なコレステロールを吸う善玉と吸わない善玉があります。
そのため善玉コレステロールを増やしてもあまり関係ないということが分かってきています。
ある研究では吸う力がある善玉コレステロールが多い人ほど脳梗塞になるリスクが低いということが分かってきています。

■青魚のEPAで善玉の吸う力がアップ
善玉の吸う力が高い人は普段から青魚を食べている人が多いと考えられています。
サバやイワシといった青魚はオホーツク海などの寒い海を回遊します。
この冷たい海の流れには植物プランクトンが豊富で、青魚がこれを食べることで植物プランクトン由来の油を体に蓄えます。
植物プランクトンは凍りつくような寒い海でも細胞自体をしなやかに保つためEPAの油を体の中に作り出します。
細胞自体をしなやかにする力があるから血管を柔らかく保ち動脈硬化を防いでくれます。
さらにEPAは善玉コレステロールの吸う力も高めてくれるということが分かってきています。

■善玉は量ではなく吸う力が重要
悪玉を約40mg/dl下げても動脈硬化性疾患の予防効果は20〜30％程度。
悪玉の治療をしている患者さんに善玉の量を上げる薬を使っても動脈硬化の改善効果なし。
善玉は量ではなく機能が重要なのではということから善玉の吸う力が注目された。
善玉の能力が低いと脳梗塞になりやすく、善玉の能力が高いと脳梗塞になりにくい。

■サバ缶で善玉の吸う力をアップ
サバ缶はEPAを手軽にとりやすい点で良いとされています。
サバ缶なら１日1/4缶食べると良いそうです。

EPAは加熱によって酸化されやすいといわれています。

●カルパッチョで青魚をとると良い
オリーブオイルはEPAの酸化を防ぐ働きがあると考えられています。

■悪玉コレステロール
増え過ぎた悪玉コレステロールは血管の中にプラークを作り動脈硬化の原因になるので悪玉（LDL）の数値が高い人は要注意です。

■善玉コレステロール
これまで善玉の数値が高ければ高いほど良いといわれていましたが、実は善玉の吸う力が重要ということが分かってきています。
吸う力が高ければプラークから余分なコレステロールを吸い込んで血管を若返らせる可能性があります。
善玉の吸う力をアップさせるのが青魚に含まれるアブラのEPAです。
魚中心の食生活にすると、肉を魚に置き換えることで悪玉コレステロールの値を下げることも期待できます。

■ナッツ・緑茶・ウォーキングで善玉の吸う力をアップ
・ナッツは１日25g
・緑茶は１日最低１杯
・ウォーキングは１日30分

■善玉の吸う力が低下する原因
・喫煙
・飲酒
・高血圧
・肥満
・糖尿病

善玉の吸う力の低下は血管の酸化や炎症が原因です。
ナッツ・緑茶・ウォーキングにはこれらの酸化や炎症を防いでくれる働きが期待されています。

■善玉の吸う力をアップさせるポイント
青魚にはサバ、イワシ、アジ、サンマなどがあります。
善玉の吸う力をアップさせるおすすめの食べ方は刺身になります。
EPAは加熱によって少し減ってしまいます。
生魚が苦手という人にはサバ缶がおすすめです。
サバ缶にカツオブシを加えるとさらに効果アップが期待できます。

■サバ缶を使った料理「ひっぱりうどん」
サバ缶の身・納豆・刻みネギを混ぜ合わせます。
サバ缶の残り汁を加えます。
これに茹でたうどんを絡ませれば山形の名物「ひっぱりうどん」の出来上がりです。

■サバの水煮缶を使った天ぷら
サバの水煮缶からサバを取り出して一口大に切ります。
小麦粉をまぶして大葉と海苔を巻いてとめます。
衣をつけて170℃の油で揚げます。
衣がカリッと揚がったら出来上がりです。