油を正しく使い動脈硬化や認知症予防!揚げ物にはオメガ9、米油で老化防止・免疫力アップ

油といえば肥満の原因だとか血液がドロドロになるとかいわれていますが、油を正しく選んで使うと身体にとても良いといわれ、病気予防効果も期待されています。
間違った油の使い方をしていると動脈硬化による心疾患や認知症など命に関わる危険が高まります。
油の中には脳の機能を向上させる働きを持つものもあります。
エゴマ油やアマニ油などのオメガ3(DHA)には認知症の抑制やうつの改善が期待されています。

■脂肪酸(しぼうさん)について
油には脂肪酸(しぼうさん)という成分が含まれています。
この脂肪酸が脳を活性化させるエネルギーや細胞組織の生成に必要な成分となり私たちの健康を保っています。

■飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)と不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)について
普段私たちが摂取している油は、主に動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)と植物や魚などに含まれる不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)の大きく2つに分けられます。
料理でよく使われるサラダ油やゴマ油は不飽和脂肪酸の仲間になりますが、使い方次第で健康効果が大きく変わります。

●飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)
飽和脂肪酸は動物性の脂肪が多く含まれている脂肪のことをいいます。
飽和脂肪酸にはバターやラードなど常温で固形の形状をしたものが多いです。
そのため過剰に摂取すると中性脂肪が上昇し動脈硬化の原因になります。

●不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)
不飽和脂肪酸は植物や魚に多く含まれ、細胞膜の材料になったりします。
不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6、オメガ9の大きく3つに分けられます。
オメガ3は主に魚に含まれている油のことで現代人の摂取量が少なくなっています。

■油の酸化が動脈硬化や認知症の原因に
揚げ物に使う油を間違えて使い続けると動脈硬化を進行させる恐れがあります。
サラダ油は酸化されやすい油といわれています。
酸化とは油が酵素と結びつき成分が劣化してしまうことをいいます。
酸化した油を摂取し続けると生きていく上で欠かせない細胞の機能が低下し、動脈硬化や認知症などを招く原因になります。
油の酸化は基本的に熱が原因となります。
サラダ油は基本的に熱に弱く酸化しやすいといわれています。

■揚げ物に適した油はオリーブオイル・菜種油・米油などのオメガ9
不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6、オメガ9の3つに分けることができます。
オリーブオイル・菜種油・米油などのオメガ9は熱に強い油といわれといわれています。
サラダ油・ゴマ油・大豆油などのオメガ6、エゴマ油・アマニ油・チアシードオイルなどのオメガ3は熱に弱い油といわれています。
ただし調理開始5分以内では油に変化はそれほどありません。
そのため短時間でサッとフライパンで炒める場合はサラダ油やエゴマ油など熱に弱い油でも大丈夫だそうです。

■油の使いまわしは厳禁
調理が終わった後の熱された油は冷めるまでの間に空気に触れることでも酸化してしまいます。
1回だけではもったいないと思い数回使いまわしてしまいますが体にはあまりよくないそうです。
たっぷりの油に入れるのではなく、フライパンを使って少量の油で両面揚げるとよいそうです。
これだけでも十分に揚げることができるので使う油の量を抑えることができます。

■米油のトコトリエノールで老化防止・免疫力アップ
米油とは米ぬかから作られる油で熱に強いオメガ9の仲間です。
米油はビタミンEの中でも特に強いトコトリエノールという成分が含まれている油です。
ビタミンEには強い抗酸化力があり、免疫細胞を傷つけたり老化の原因となる過剰発生した活性酸素を抑制する働きがあります。
米油に含まれるトコトリエノールは通常のビタミンEの約50倍もの抗酸化力があるといわれています。

米油は野菜炒めで使うとよいといわれています。
野菜には抗酸化力のあるビタミンCが含まれているので米油を使えばさらに健康効果が期待できます。

■ゴマ油を料理の仕上げに使う
ゴマ油はきんぴらやごぼうなど料理の仕上げに使い香りを楽しむ使い方もあります。

■エゴマ油・アマニ油・チアシードオイルなどのオメガ3で心疾患や認知症の予防
エゴマ油・アマニ油・チアシードオイルなどのオメガ3の油は摂ってもらいたい油でもあります。
オメガ3の油には血管の健康を保つ成分が含まれていて、心疾患や認知症の予防効果が期待できます。
オメガ3の油は熱に弱いのでかけて食べるのがむいています。

●α-リノレン酸
オメガ3に含まれるα-リノレン酸には中性脂肪の増加を抑制し動脈硬化を予防する働きが期待されています。

●アマニ油ドレッシングの作り方
アマニ油、醤油、酢を同じ割合で混ぜます。
お好みでハチミツやすりおろしたニンニクを加えるとよりおいしくなります。

■油の過剰摂取に要注意
油が体に良いと過剰に摂り続けると飽和脂肪酸の摂取量も増えてしまい、心筋梗塞や脳梗塞などの大病につながる危険があります。
成人が1日に摂取しても良い油の量は約60gといわれています。
現代人は肉類・乳製品・お菓子などの加工食品といった脂が多い物を食べる機会が増えているため注意していないと60gを軽々とオーバーしてしまいます。
食生活を見直して油を賢く使うことが大切です。

■ココナッツオイル
ココナッツオイルの主成分は動物性脂肪の本体である飽和脂肪酸が圧倒的に多いとされています。
その意味では動脈硬化が進みやすいということになります。
一方でココナッツオイルには中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん)という飽和脂肪酸の中でも比較的消化管での吸収や分解が早いため身体に溜まりにくいともいわれています。
認知症に良いという研究報告もあるそうです。