腰部慢性疼痛!脊髄刺激療法、BS-POP問診、慢性疼痛のメカニズム!

腰部慢性疼痛!脊髄刺激療法、BS-POP問診、慢性疼痛のメカニズム!強い痛みを絶えず感じていると慢性疼痛を発症する可能性が。腰部慢性疼痛にならないためには腰痛の原因を早めに明らかにし、痛みを我慢せず早めに治療

■腰部慢性疼痛(ようぶまんせいとうつう)
慢性疼痛(まんせいとうつう)とは、病が治るまでに要する一定期間を過ぎても治らない慢性的な痛みのことです。
その多くが手術で病巣(びょうそう)を取り除いたにもかかわらず、消えることのない原因不明の痛みです。
中でも患者数が多いのが腰での慢性疼痛である腰部慢性疼痛(ようぶまんせいとうつう)です。
腰部慢性疼痛(ようぶまんせいとうつう)は近年研究が進められている新型の腰痛とも言われています。

■腰部慢性疼痛のメカニズム
ヘルニアの場合、飛び出した椎間板によって脊髄(せきずい)の中を走る神経が圧迫され興奮状態となることで痛みが発生します。
興奮状態になった神経は痛みを伝える電気信号を脳に送り、脳の中の腰を司る部分がその電気信号をキャッチすることで腰に痛みを感じます。
そのため通常は痛みの原因である飛び出した椎間板を取り除けば神経の興奮状態も治まり、電気信号はストップし痛みはしだいに治まっていきます。
しかし痛みを長く我慢し続けていると常に神経が興奮状態におちいり、自ら痛みの信号を発信してしまいます。
そしてついには脳が誤作動を起こし、脳自体で痛みの電気信号を発信してしまうようになってしまいます。
こうなると手術で原因を取り除いても、あたかも脳や脊髄の神経が痛みを記憶したかのように、絶えず痛みを感じ続けることになってしまいます。
痛みをどれくらい我慢すると脳や神経が誤作動を起こすのか?
その詳しいメカニズムはまだ分かっていません。
強い痛みを絶えず感じていると慢性疼痛を発症する恐れがあります。
だからこそ腰部慢性疼痛にならないためには腰痛の原因を早めに明らかにし、痛みを我慢せず早めに治療を受け対処することが大切になります。

■骨や椎間板の異常が腰痛の原因
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のような骨や椎間板の異常が腰痛の原因となっている場合は、MRI検査で骨や椎間板に異常がないか検査します。

■生活習慣が腰痛の原因
腰痛の原因がはっきり特定できるのは15%ほどで、残り85%はこれといった病名の特定ができない原因不明の腰痛と言われています。
その中に含まれるのが運動不足や重い荷物を持つといった生活習慣が主な原因と考えられる腰痛です。
筋力の低下や腰への過剰な負担、さらには血行不良などでも痛みは引き起こされます。

■加齢が主な原因で起こる腰痛
椎間板の老化が始まるのは20代から。
加齢によって椎間板の柔軟性が失われたり、筋力が衰えることで痛みが起こることもあります。

■ストレスが主な原因となっている腰痛
BS-POP問診

最近1ヶ月の自身の気分や身体の状態について10個の質問に答えます。
3つの選択肢から当てはまるものを1つ選び点数を記録します。
合計点数が15点以上の場合はストレスが腰痛に影響をしている可能性があります。

1:突然泣きたくなったり泣いたりすることがある
  いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
2:いつもみじめで気持ちが浮かない
  いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
3:いつも緊張してイライラしている
  いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
4:ちょっとしたことがしゃくにさわって腹が立つ
  いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
5:食欲は普通
  いいえ:3点 時々なくなる:2点 ふつう:1点
6:1日の中では朝方が一番気分が良い
  いいえ:3点 時々:2点 ほとんどいつも:1点
7:何となく疲れる
  いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
8:いつもと変わりなく仕事ができる
  いいえ:3点 時々やれなくなる:2点 やれる:1点
9:睡眠に満足できる
  いいえ:3点 時々満足できない:2点 満足できる:1点
10:痛み以外の理由で寝つきが悪い
  いいえ:1点 時々寝つきが悪い:2点 ほとんどいつも:3点

■腰痛対処法
・ストレッチなどで筋肉をほぐす 仰向けに寝て全身を10秒伸ばす。
・趣味などでストレスを解消する
・ウォーキングなど運動をする
・長時間同じ姿勢を取らないように心掛ける

■慢性疼痛のスペシャリスト
日本大学医学部 脳神経外科 主任教授(H22.5月時点)
片山容一(かたやまよういち)先生

●脊髄刺激療法(せきずいしげきりょほう)
脊髄刺激療法(せきずいしげきりょほう)とは、背中に電極を埋め込み脊髄の神経を電気で刺激し、電気信号を脳に送り痛みを軽減させる療法です。
誤作動を起こしている脳の神経に電気信号をぶつけることによって痛みを和らげ軽減させます。
その電気刺激装置を腹部に埋め込み、患者本人が強さやタイミングをリモコンで操作し痛みを抑えます。