尿について!排尿日誌、夜間頻尿、前立腺・子宮と排尿!

尿について!排尿日誌は排尿した時間、そのときの量、気付いたことなどを記録します。夜間頻尿は夜間の尿量が増え、眠りが浅くなります。前立腺は膀胱の真下にある男性にしかない生殖器。女性のは子宮の影響が排尿に関わってきます。

■尿について
尿の95%以上は水分で、残りは尿素、塩素、ナトリウム、カリウムなどの体の老廃物から成っています。
水を飲んで尿を出すことは、体の内面を洗っていることにもなります。
飲んだ物が消化管で吸収され、全身の血液を巡って細胞の中の老廃物をかき集めて腎臓に運んでいきます。
腎臓でろ過して水分とともに尿として体外に排出します。
通常の1日の排尿回数は4〜6回ほど。
水分摂取後は、薄い尿が出るため泡立ちにくいですが、朝は濃縮された尿が出るため泡立ちやすくなります。
尿は健康のバロメーターでもあります。
少しでも異変を感じたら専門の医師の診断を受けるようにしましょう。

■泌尿器の名医
昭和大学横浜市北部病院
泌尿器科 教授
医学博士 島田 誠(しまだ まこと)先生

■尿意について
尿意とは、おしっこが膀胱に溜まりトイレに行きたいと思う感覚のことです。
最小尿意とは、はじめに感じる軽い尿意です。
最大尿意とは、我慢の限界での尿意です。

■膀胱のセンサー
膀胱には一定量の尿が溜まると働く受容体センサーがあります。
尿が膀胱に溜まることで膀胱内の圧力が変化し、それを脳に伝えることで尿意を感じています。
膀胱のセンサーは年齢を重ねるとすこし変性してきて、早く尿意を感じるようになってしまいます。
膀胱のセンサーが過敏になり、若い頃よりも早く尿意を感じてしまいます。

■膀胱の柔軟性
通常膀胱には300〜500mlの尿を溜めることが出来ます。
実は膀胱の壁(排尿筋)は筋肉で出来ていて、尿が溜まるとやわらかい風船のように膨らみます。
しかし加齢とともに膀胱の壁の柔軟性が失われると膨らみずらくなり、尿を溜められる量が少なくなってしまいます。

■前立腺(ぜんりつせん)と排尿
前立腺(ぜんりつせん)とは、膀胱の真下にある男性にしかない生殖器のことです。
前立腺が大きくなることで尿道が圧迫され尿道が狭くなり、尿の出が悪くなったり、最後までおしっこが出切らず膀胱に尿が残ったままとなり、残尿があるといった状態になります。

■子宮と排尿
女性の場合は子宮の影響が排尿に大きく関わってきます。
子宮は膀胱の上に乗っかっているような位置関係になっています。
そのため子宮筋腫などの子宮の病気があると、直接膀胱が影響を受けてトイレが近くなったりします。
その他にも女性特有の原因としては、骨盤の臓器を支えている骨盤底筋(こつばんていきん)が出産や加齢のため衰えることや、更年期の影響で女性ホルモンが減少し、膀胱や尿道に影響を与えていることなどが考えられます。

■抗利尿ホルモン(こうりにょうほるもん)
抗利尿ホルモン(こうりにょうほるもん)とは、通常夜間に分泌され、腎臓に作用して尿を濃縮し、尿の量を減らす働きをしてくれます。
年を取ると体内時計が少しずつくるってくるため、抗利尿ホルモンが減少し夜間の尿量が増えてしまいます。

■高血圧の影響
高血圧が原因で血流量が増加し、夜に尿が増えることもあります。

■夜間頻尿
年をとって夜間の尿量が増えることや、眠りが浅くなるなることで夜間頻尿になりやすくなります。
頻尿の定義は、昼間は8回以上、夜間頻尿は夜に1回以上トイレに行くことになります。

■排尿日誌
いつトイレに行き、どのくらい尿が出たかをこまめにチェックしていくことにより、自分の排尿パターンを知ることになり、知らないうちに頻尿が治る効果が期待できます。
排尿日誌は、排尿した時間、そのときの量、気付いたことなどを記録していきます。
例えば、1日の尿量が2000ml以上の人は、水分の過剰摂取や糖尿病など、頻尿の原因が分かる場合があります。