長引く頭痛の原因、発作性片側頭痛、睡眠時無呼吸性頭痛、睡眠時頭痛

頭痛の種類は約350もあるといわれています。
頭痛の種類が違えば治療法や対処法も違います。
間違った頭痛の治療を続けてもよくなりません。

■緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)について
緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)とは、肩や首のコリとともに頭全体が締め付けられるように痛む頭痛をいいます。
肩や首の筋肉が凝ることで頭部の血流が悪くなり、頭部の筋肉に痛みを発する物質が溜まって引き起こされる頭痛をいいます。
一般的に頭全体が締め付けられて痛むのが特徴となっています。
頭痛の中でも最も多く発症し、頭痛持ちの約6割が緊張型頭痛だといわれています。

■片頭痛(へんずつう)について
片頭痛(へんずつう)とは、頭の片側が脈打つようにズキンズキンと痛み、吐き気がすることもある頭痛です。

■群発頭痛(ぐんぱつずつう)について
群発頭痛(ぐんぱつずつう)とは、目の奥の血管が拡張することで三叉神経を刺激し、強烈な痛みの発作が1〜2時間続いて目が充血し、涙が勝手に出て止まらなくなることがある頭痛をいいます。

■圧痛点(あっつうてん)
慢性頭痛に悩む人には、筋肉の異常なシコリなどの痛みを発するポイントが出来ていることがあります。
そこを押すと強い痛みを感じます。
緊張型頭痛や片頭痛など主な頭痛では、それぞれに痛むポイントが違います。
緊張型頭痛の場合は、肩から首にかけての範囲内に固くゴリゴリしたシコリがあることが多いです。
群発頭痛では、眉毛のあたりが痛むことが多いといわれています。

■頭痛ダイアリー
患者自身が、頭痛がいつ起きたか、痛みの程度、痛み方、服用した薬などの情報を毎日記録します。
頭痛ダイアリーにより頭痛の実態を客観的に把握し、治療効果をみていきます。

■発作性片側頭痛(ほっさせいへんそくずつう)について
発作性片側頭痛(ほっさせいへんそくずつう)とは、発作的に片側の目の奥が刺すように痛み、目が充血して涙が止まらなくなる頭痛をいいます。
何らかの原因で自律神経を司る脳幹にトラブルが起こり、とつぜん三叉神経が異常に興奮することで頭痛が引き起こされると考えられています。
発作性片側頭痛には、インドメタシンという特効薬があります。
インドメタシンが脳幹に作用することで、発作性片側頭痛に劇的な効果を発揮することが知られています。

■睡眠時無呼吸性頭痛
朝起きた時に痛む頭痛は、睡眠時無呼吸性頭痛の可能性があります。
睡眠時無呼吸性頭痛は、睡眠時無呼吸症候群が原因の頭痛です。
肥満や顎が小さいことなどが原因で、睡眠中に舌の付け根が気道を塞ぐことで引き起こされると考えられています。
睡眠時無呼吸性頭痛は、睡眠中に脳が低酸素上体に陥ることで起きます。
見分けるポイントとしては、日中の眠気があります。
睡眠時無呼吸症候群の治療を行えば睡眠時無呼吸性頭痛も治ります。

■巨細胞性動脈炎(きょさいぼうせいどうみゃくえん)
物を噛む時に痛む頭痛は、巨細胞性動脈炎(きょさいぼうせいどうみゃくえん)の可能性があります。
巨細胞性動脈炎は、こめかみのあたりを通っている側頭動脈の血管に炎症が起きて起こる病気です。
物を噛むと側頭筋が収縮し、血管が圧迫されるために痛みが生じます。
脈打つ痛みのために片頭痛と間違えやすいことがあります。
巨細胞性動脈炎は脳梗塞の原因にもなるため、早期発見が重要です。
巨細胞性動脈炎はステロイド薬により症状を抑えられます。
見分けるポイントは、こめかみに血管が浮き出て触ると痛むこ点です。

■脳腫瘍による頭痛
トイレでいきんだときに起こる頭痛は脳腫瘍の可能性があります。
頭の中に腫瘍が出来ると、腫瘍による圧迫といきむことで頭蓋内の圧力が上がり頭痛が起こります。
脳腫瘍はゆっくり大きくなるため症状が出にくく、見つけにくいことがあります。
見分けるポイントは、数ヶ月の間に頭痛が悪化していくことです。
ろれつが回らない、麻痺、じびれなどが頭痛と一緒に起きます。

■睡眠時頭痛(すいみんじずつう)について
睡眠時頭痛(すいみんじずつう)とは、睡眠中に痛みで目が覚める頭痛をいいます。
詳しいメカニズムは分かっていませんが、睡眠中の脳の状態をコントロールする脳幹の異常が原因と考えられています。
薬の乱用などが脳幹の異常を引き起こすと考えられています。
睡眠時頭痛の治療としては、メラトニンというホルモンの働きを良くする薬を使う治療法があります。
睡眠中の脳の状態をコントロールするメラトニンの働きを良くして、脳の安静を保つことが睡眠時頭痛の最も有効な治療法になります。

■頭痛の名医(2014年9月時点)
埼玉国際頭痛センター センター長
日本頭痛学会 理事長
坂井 文彦(さかい ふみひこ)先生
慢性頭痛の診療ガイドラインや国際頭痛分類日本語版の編にも携わり、350もの頭痛の一つ一つに精通しています。
これまでに10万人もの慢性頭痛に悩む患者を救ってきた頭痛の名医です。