水分補給でカゼやインフルエンザを予防、繊毛細胞による免疫機能!

■繊毛細胞(せんもうさいぼう)について
繊毛細胞(せんもうさいぼう)は、1秒間に15回の猛スピードで振動しています。
この振動で粘液の流れが出来ています。
それに乗って異物・ウイルス・細菌などを粘液ごと体外へ運んでいます。
繊毛細胞は鼻やノドはもちろんのこと、空気の通り道のずっと奥の器官の先まで繊毛が生えています。
ウイルスなどの異物が侵入すると粘液を出して捕まえます。
そして粘液ごと体外へと排出します。
粘液に囲まれた異物が痰になります。

■ウイルスや細菌を胃で退治
ウイルスが鼻から侵入すると、まず粘液で捕まえます。
そして繊毛が中へと進めていき、ワザとのどの奥にウイルスを連れ込むこともあります。
そして食道へと送り、胃でウイルスや細菌を消化してやっつけます。
知らないで飲み込んでいる痰は、1日に牛乳瓶半分ぐらいにもなるそうです。

■繊毛による免疫機能
繊毛が活発に動いていれば、ウイルスが繊毛よりも下にある細胞にはほとんど入ってきません。
しかし繊毛の元気が弱くなると、繊毛の下にある細胞の中にウイルスが侵入してしまいます。
一度ウイルスが侵入してしまうと、ものすごい勢いで増殖してしまいます。
インフルエンザウイルスは最短20分で細胞に侵入するといわれています。

■ネバネバした粘液とサラサラした粘液
繊毛細胞の周りには粘液がありますが、この粘液にはネバネバした粘液とサラサラした粘液の2種類あります。
ネバネバした粘液がサラサラした水分の多い粘液の上に乗っています。
ウイルスが入ってくると濃度の濃い粘液をグッと押して離して素早くスタート地点に戻り、また粘液をグッと押して離して素早く戻ります。
これを繰り返すことで一方向の流れを作っています。

■湿度が低いと繊毛機能が低下する
湿度の低い部屋にいると、サラサラの粘液の方が乾いてしまいます。
すると繊毛細胞はネバネバの粘液の中を行ったり来たりするだけになってしまいます。
前に進んだり後ろに下がったりするだけでウイルスを早く流し去ることが出来なくなってしまいます。

■水分補給をして繊毛機能を回復させる
外から湿らせてもサラサラの粘液には届きません。
サラサラの粘液に水分を補給するには、粘液細胞の下から水分を補給するしかありません。
つまり水を飲むことで、体内に取り込まれた水分が体の中を巡って繊毛の下にある粘液細胞から粘液として送り込む必要があります。
すると繊毛が再び元気に活動するようになります。
水を飲むということは体の中からなので、局所的にではなく体全体で繊毛を元気にすることができます。

■1日1.5リットルの水分補給で免疫機能が回復
繊毛細胞を元気に活動させるには、1日1.5リットルの水分補給が必要といわれています。
私達は1日に2.5リットルの水分を尿や汗などで失っています。
ただし心臓や腎臓などの病気で水分量を制限されている人は、医師の指示に従うようにしましょう。
水を飲まない冬にこそ、こまめな水分補給でカゼをよせつけないようにする必要があります。