心臓周囲脂肪による心筋梗塞、血糖値の上昇抑制、適度な運動で心筋梗塞を予防

■内臓脂肪による心筋梗塞
心筋梗塞は数十年かけて動脈硬化が進行し、除々に血管が狭くなっていき起こる病気です。
心筋梗塞の原因の一つとしては、メタボなどの元凶である内臓脂肪が考えられています。
内臓脂肪が溜まりメタボになることで、血管の内側に脂肪などが沈着し血管が狭くなって発症します。

■心臓周囲脂肪による心筋梗塞
心臓周囲脂肪(しんぞうしゅういしぼう)は、毒素を吐き出して血管を傷めつけ、突然血管を詰まらせる極悪の脂肪です。
心臓周囲脂肪は毛細血管を通じて血管に毒素を注入し、プラークを作りながら血管壁を破壊していきます。
そして知らず知らずのうちに一気に破壊が進行して、プラークが血管内に噴出して心筋梗塞を発症させます。

■心臓周囲脂肪による心筋梗塞の危険性
心臓周囲脂肪による心筋梗塞の恐ろしさは、従来の心筋梗塞とは違い、脂肪の塊であるプラークが外側に付いていくことです。
内側からくれば血液の流れが悪くなるので、負担をかけると心筋梗塞の症状が出てきます。
しかし外側から血管が傷め付けられると症状が出ません。
健康診断の心電図で正常だった人が、突然血管が詰まって心筋梗塞になることもあります。

■心臓周囲脂肪から出る毒素「炎症性サイトカイン」
心臓周囲脂肪から出る毒素は、炎症性サイトカインのことをいいます。
炎症性サイトカインは脂肪から出る悪玉ホルモンで、激しい炎症を引き起こし、いろいろな組織を溶かしていって破裂を引き起こします。

■以前に比べて太った人は心臓周囲脂肪による心筋梗塞に注意
心臓に脂肪が付きやすい人と付きにくい人がいます。
太っているからといって心臓に脂肪が付く訳ではありません。
昔痩せていた人や標準体型だった人が、成人になってから急に太った場合、心臓に脂肪がつきやすいといわれています。
脂肪細胞は体内の余分な脂肪を入れるタンクのようなものです。
皮下脂肪の脂肪細胞の数は、成人するまでの体型で決まります。
成人したときに太っていた人は脂肪細胞の数が多く、痩せていた人は脂肪細胞の数が少なくなっています。
この状態で食事をすると、余分な脂肪は脂肪細胞の中にどんどん溜め込まれていきます。
しかし元々痩せていた人は、元々太っていた人に比べて脂肪細胞の数が少ないので、すぐにいっぱいになってしまいます。
すると溜めきれない脂肪が、腸の間や肝臓などに溜まってきて内臓脂肪になります。
そして内臓脂肪にも溜めきれなくなると、心臓に溜まるようになっていきます。

■心臓周囲脂肪を減らすポイント
・食事で野菜から食べる
・適度な運動を行う

心臓周囲脂肪は溜まりやすいですが、一方で減らしやすい脂肪でもあります。
そのためちょっとした工夫で心臓周囲脂肪を減らすことが可能です。

■野菜から食べて心臓周囲脂肪による心筋梗塞を予防
いつもの献立は大きく変えないで、野菜から食べ始めるだけで心臓周囲脂肪を減らす効果が出ます。
例えば、ごはんから食べ始めると血糖値が急激に上がります。
すると血液中に溢れかえった糖分が脂肪として一気に蓄積されてしまいます。
しかし野菜から先に食べるようにすると血糖値の上昇が抑えられ、糖分が脂肪として取り込まれる速度がゆっくりになります。
結果、脂肪の蓄積を抑えることができます。
さらに先に食べ始めた野菜によって満腹中枢が刺激されるため、食べ過ぎを予防することができます。
カロリーオーバーも防げて一石二鳥です。

■ちょい足し歩きで心臓周囲脂肪による心筋梗塞を予防
いつもより少し遠いスーパーに買い物に行くなどして、歩数をちょっとだけ増やすことが心臓周囲脂肪を減らすのに効果的です。
女性の場合であれば、平均歩数の6400歩を目標として歩くようにすると良いです。