薄毛・抜け毛の予防のために、男性型脱毛症、レセプター、DHT

男性型脱毛症は髪の毛が太く成長せず細い毛になっている症状をいいます。
薄毛は隔世遺伝し、母方の祖父が責任遺伝子になります。
薄毛の原因は男性ホルモンではなく、男性ホルモンが酵素と結合してDHTという物質になり、DHTがレセプターと結合して髪の毛を作らなくする信号を出すことにあります。

■男性型脱毛症について
男性型脱毛症とは、髪の毛があるものの何らかの原因で髪の毛が太く成長せず、細い毛になっている症状をいいます。
一般的に10本中2本以上が細い毛だと男性型脱毛症と診断されます。
男性型脱毛症の主な原因は遺伝です。

■薄毛は隔世遺伝する
薄毛が隔世遺伝することは事実で、母方の祖父が責任遺伝子ということが分かってきています。

■レセプターが薄毛の原因
薄毛の原因は男性ホルモンではなくレセプターになります。
レセプターは髪の毛の根っこである毛根部分に存在しますが、これだけでは薄毛の原因にはなりません。
血液に含まれる男性ホルモンが毛根に侵入すると、酵素と結合してDHTという物質になります。
このDHTがレセプターと結合すると、髪の毛を作らなくするような信号を出してしまいます。
つまり薄毛と直接関係しているのは、結合すると信号を出すレセプターの量であり男性ホルモンではありません。
レセプターは前頭部と頭頂部に多く、後頭部にはほとんどありません。
このレセプターは遺伝によって配置が決まっていて、前頭部に多い人はM字型の薄毛になり、頭頂部に多い人はO字型の薄毛になります。

■生活習慣によって薄毛が進行する
薄毛は遺伝による影響が大きいですが、生活習慣によって薄毛を進行させている場合もあります。

■皮脂が毛穴に溜まると薄毛になる
毛穴付近にある皮脂は頭の皮膚を保護してくれますが、そのまま放置すると酸化して過酸化脂質に変わってしまいます。
この過酸化脂質は細菌が繁殖しやすいため毛根付近の炎症の原因となり、抜け毛の大きな要因になってしまいます。

■ストレスが薄毛の原因になる
ストレスは血圧などをコントロールしている自律神経を乱し、血液の流れを悪くしてしまいます。
血行不良になると髪の毛に十分な栄養が行かなくなるため抜け毛の原因になってしまいます。

■長時間の帽子をかぶると薄毛の原因になる
帽子を長時間かぶっていると頭皮が蒸れてしまい、細菌が繁殖しやすい状態になって抜け毛の原因になってしまうこともあります。

■洗髪は夜寝る前に行う
朝の洗髪は洗い残しによる汚れが頭皮に残る可能性があり、頭皮に脂や汚れが残ってしまう可能性があります。
また髪の毛は夜に作られるため、寝る前に髪の毛をきれいにしておくと髪の成長につながります。

■育毛
育毛とは、元々ある髪の毛を太くしてキープすることをいいます。

■発毛
発毛とは、何もないところに新たな毛が生えてくるようにすることをいいます。

■植毛
植毛とは、何もないところに新たな毛根を植えて毛を生やすことをいいます。

●自毛植毛
自毛植毛では、薄毛になるレセプターが少ない後頭部や側頭部から頭皮と一緒に毛根を採取して切り分けます。
切り分けた毛根を髪の毛のない部分に移植します。

■ミノキシジルとフィナステリド
髪の状態を良くする育毛の中で代表的なのが、ミノキシジルとフィナステリドです。
医師から処方される飲み薬のフィナステリドは、DHT(ジヒドロテストステロン)の要因である酵素を撃退する効果があり、ほとんどの人の抜け毛が減ります。
ただし効果があるのは服用している期間だけになります。
止めてしまうと元の状態に戻ってしまいます。
また男性の性機能に関する副作用が2.9%あり、女性に関してはさらなる副作用があるため服用できません。
ミノキシジルは薬局でも買える塗り薬で、細くなった毛に作用して太くする効果があり、女性でも使用できます。
しかし効果があるのは約60%ほどで、塗るのを止めると元の状態に戻ってしまいます。

■食事から薄毛・抜け毛予防
食事は髪の毛に栄養を与えるため特に重要になります。

●タンパク質で薄毛・抜け毛予防
肉や卵、大豆製品に含まれるタンパク質には、髪の毛の基本成分であるケラチンの元になります。

●ヨウ素で薄毛・抜け毛予防
ワカメやコンブに含まれるヨウ素は、髪の毛を発育させる効果があります。

●ビタミンEとビタミンAで薄毛・抜け毛予防
ホウレンソウやナッツ類に多いビタミンEやビタミンAは、血行を良くして抜け毛を防ぐ効果があります。