首の障害によるつまずき!枕で首の障害予防、自分の首に合った枕の作り方

加齢により首の椎間板が変形すると脊髄を圧迫してつまずきの原因となることがあります。
一番適切な状態で首を安定に保てれば首の脊髄の神経は自力で回復してきます。
そのためにも自分にあった枕で首の圧迫を取る事も大切です。

■首の変形とつまずき
首には椎間板という軟骨がありますが、加齢が原因で変性を起こして神経を圧迫することがあります。
神経は足にもいっているので、足に影響が及んでつまずきの原因になると考えられています。

脊髄は脳から発信された指令を、手足などの末梢神経に伝える働きがあります。
しかし加齢などが原因で椎間板が弾力を失うと次第に押しつぶされていきます。
すると椎間板が除々に脊髄の方にはみ出していき神経が圧迫されてしまいます。
この状態になると感覚神経が障害され、手足のしびれなどの症状となって現れるます。
また神経への圧迫がさらに強まることで足先まで伸びる運動神経までも障害されてしまいます。
その圧迫の強さによっては、脳から送られる信号が伝わったり伝わりずらくなったりと不安定になってしまいます。
その結果、知らず知らずのうちに頭で思っているよりも実際には足が上がっていないことが度々起きるようになり、つまずいたり転倒したりしてしまいます。
日本人の4500万人以上の人の首で、この状態に陥っていると推定されています。
椎間板は20代から変性や変形が始まります。
椎間板変性による脊髄の障害は全ての人に起こる可能性があるので、大丈夫だと思ってもできるだけ予防につとめることが大切です。

■首の状態チェック
腕を伸ばし、手を握ったり開いたりする動作をします。
指を伸ばすときは、しっかりピンッと伸ばします。
10秒間で何回できるかをチェックします。
20回以上であれば正常で、20回未満の場合は首の脊髄に問題がある可能性があります。
首の脊髄に圧迫が起きると脳からの指令も伝わりずらくなり、手先をスムーズに動かしにくくなります。
そのため手を握ったり開いたりする動作も素早く出来なくなってしまいます。

■枕で首の障害を予防
自分に合わない枕による首の脊髄への圧迫を食い止めることができれば、すでに首に異常がある人でもその異常を改善することが出来ます。
一番適切な枕で首を安定に保てれば、首の脊髄の神経は自力で回復してきます。
脊髄には一度異常が出ても自力で回復する能力があると考えられています。
就寝中の首への圧迫を軽減することで、脊髄が除々に回復していきます。
すると脳から指令が下半身へも正確に届くようになり、つまずきの改善にもつながっていきます。
足がつまずくという症状が起こったら、寝ている姿勢を見直してみることも重要です。

●自分の首に合った枕の作り方
大きめのタオルケットと玄関マットや座布団などのしかっりした素材の物を用意します。
玄関マットを3つの蛇腹折りにします。
四隅をしっかり揃えるのがポイントです。
2つ折りにしたタオルケットも3つの蛇腹折りにします。
それをさらに3つの蛇腹折りにします。
四隅をしっかり合わせます。
これを先ほど折った玄関マットの上に乗せます。
このとき首側にくる側面は床と垂直になるようにしっかりと合わせます。
枕に頭を乗せたら両手を胸の前で合わせてヒザを立てます。
その状態で横を向いてみます。
顔から足までが布団と平行になるように枕の高さを調節します。
調整方法はタオルケットを1枚ずつ外して合わせてみます。
最後に左右に寝返りを打ってみて無理な力を入れずに寝返りが打てるかをチェックします。

■首・頸椎の名医(2014年5月時点)
富山大学附属病院 整形外科 診療教授
川口善治 先生

16号整形外科 院長
山田 朱織(やまだ しゅおり)先生