心臓が原因で起こる物忘れ、徐脈性不整脈、危険な脈飛び

徐脈性不整脈は心臓のリズムが何らかの原因で乱れて遅くなる病気。
心臓が徐脈性不整脈や危険な脈飛びが起こるとの脳が酸素不足になり、物忘れ、立ちくらみ、めまい、胸の不快感などの症状が現れます。
3秒以上の脈飛びや物忘れなどの症状がある場合は早目に精密検査を受けることが大切です。

心臓はまず心房から心室へ血液を送り込み、続いて心室から全身へ尾血液を送り出しています。
1分間に50〜100回定期的に拍動するのが正常な心臓のリズムです。
もし物忘れが心臓由来のものであれば、このリズムに変化が現れます。

■徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)について
徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)とは、本来規則的に動かなくてはならない心臓のリズムが、何らかの原因で乱れて遅くなる病気です。
徐脈性不整脈を放置すると命に関わることもある恐ろしい病気です。
毎年3万人ほどの人が徐脈性不整脈と診断され治療を受けています。
経過観察や未だ気付いていない人を含めると、その2倍近い徐脈性不整脈の患者がいるといわれています。

■心臓が原因で起こる物忘れ
心臓は電気信号によって動いています。
その電気信号を送り心臓の収縮リズムの調節を行っているのが同結節(どうけっせつ)という器官です。
しかし加齢などが原因で同結節の働きが衰えてくると、電気信号が正常に発信されなくなり心拍数が少なくなってしまいます。
結果、脳が酸素不足になり、一時的に記憶が抜け落ちるという現象が起こってしまいます。
これが心臓が原因の物忘れの正体です。

徐脈性不整脈を放置すると知らぬ間にどんどん心臓が弱っていき、物忘れ以外にも立ちくらみ、めまい、胸の不快感などの症状が出始めて、ついには突然死を招く可能性もあります。
そうならないためにも、物忘れという重要なサインを見落とさないことが大切になります。

■脈飛び
一瞬心臓が止まるという脈飛びは、健康な人でも日常的に起きています。
脈飛びは健康な人の9割以上にみられ、50歳以上に限った場合は99%の人に脈飛びがみられています。
脈飛びにも安心な脈飛びと危険な脈飛びがあります。

●安心な脈飛び
安心な脈飛びは、早いタイミングで脈打つ脈飛びです。
リズムの乱れが回復するまで脈が飛びます。
この脈飛びが1日に数回起きる程度であれば問題ありません。

●危険な脈飛び
危険な脈飛びは、突然鼓動が止まり、数秒間脈が飛ぶような脈飛びです。
この脈飛びが3秒以上続く場合は様々な症状がでてきます。

■脈の測り方
手首を曲げるとシワの部分ができますが、このシワの部分から体の中心の方に1〜2cm近い部分、親指の延長線上の部分を人差し指・中指・薬指の3本で軽く押さえて脈を測ります。
危険な脈飛びがある場合は、1分間測れば見つかる可能性が高いです。
3秒以上の脈飛びや物忘れなどの症状がある人は、早目に精密検査を受けるようにしましょう。

■心臓・不整脈の名医(2014年5月時点)
弘前大学大学院 医学研究科 不整脈先進治療学講座 准教授
佐々木 真吾(ささき しんご)先生

心臓治療の第一人者です。