正しい姿勢で腰痛対策

腰痛の原因は、生活習慣や生別 、年齢職業などが複雑に関係していますが、多くの場合、腰を支える骨筋肉の故障が腰痛の原因となっています。急性期は安静にし、回復期に少しずつ身体を動かし腰痛を予防しましょう。

正しい姿勢で腰痛改善日常生活の中で姿勢が悪いと骨格・筋肉・内臓に、余計な負担がかかり、これが原因で身体に悪影響が出てきます。
腰痛・肩こりの多くは、姿勢の悪さが一因と考えられています。
正しい姿勢は、身体にかかる負担が少なく、内臓の働きもスムーズになり、筋肉をバランスよく発達させ、関節・骨に無理なく体重をかけることができます。
また、背すじを伸ばすことで、全身に適度な緊張感がいきわたり、ゆるんだ筋肉を引き締めることができます。
正しい姿勢を維持するための筋群を抗重力筋といい、この筋群は、腹・背中・お尻・太もも裏・ふくらはぎの筋で、構成されています。この抗重力筋が重心をとりながら、バランス良く働くことで、正しい姿勢を維持することができます。

ある学校の教師の話しでは、姿勢のよい生徒の特徴は、学業成績がよく、健康であるということです。
同じようなことを経営者や管理者の方も言っており、姿勢のよい社員は、成績もよく、元気溌剌で、品行もバランス感覚もよい。姿勢のよい歩行や姿勢のよいお辞儀は、それ自体一つの信用・人格になるようです。
「心構えが姿勢に現れる」と言い、何かに真剣に取り組もうと考えるとき、人は自然と背筋が伸びる。やる気のないときは、背が丸くなったりする。他人のやる気を判断するときは、「前から見るよりも後ろから見ろ」という言葉があるように、心境が姿勢(後姿)に現れます。
普段から正しい姿勢を意識し、身に付けるようにしていきましょう。

特に姿勢の悪さからきている腰痛に対しては、いろいろな腰痛治療をほどこしても、姿勢が悪ければまたすぐに腰が痛くなってきてしまいます。
正しい姿勢を身に付けることが一番の予防・対策になるのです!


■状況に応じた正しい姿勢
>立っている時の正しい姿勢
>座っている時の正しい姿勢
>歩いている時(ウォーキング)の正しい姿勢
>車に乗車する時の正しい姿勢
>寝る時の正しい姿勢


>立っている時の正しい姿勢
両足の踵を合わせ、つま先は拳1個分あけて外側に向けます。頭のてっぺんを、上に引っ張られるイメージで、背すじをピンと伸ばし、軽くアゴを引き、背筋、膝をキチンと伸ばします。
真横から見たとき、耳から肩・股関節・膝・くるぶしを結んだ線が直線で描かれていることがベストです。

壁を利用した方法
壁を背にして、かかと、おしり、両肩、頭を壁につけます。そのまま一歩前に出たその状態になります。
またできるだけ背骨のS字わん曲を保つように意識する。

長時間立っているときは、時々体を動かして、姿勢に変化を与えてやりましょう。

>座っている時の正しい姿勢
イスに座るときは、お尻が背もたれに密着するように深く腰掛け、軽くアゴを引き、背筋をのばしてお腹をひっこめます。
ひざがおしりより、ほんのわずかに高く、足の裏がぴたっりつくのがベストです。

また机がある場合は、身体と机の間隔を握りこぶしひとつ入る程度になるようイスを引いて座ります。前かがみになるのを防ぎ、ある程度身動きがとれる程度の位 置です。また、イスの高さを調整して、おへそと天板が同じ高さになるようにします。天板に腕をおろして肘が約90度になるのがベストです。背もたれには寄りかかるというのではなく、背中に当たっている状態にします。こうすることで猫背が防げます。

座敷・床に座るときは、正座で座るようにしましょう。
あぐらや足を投げ出して座ることは腰に負担をかけることになります。正座が出来ないときは、柱に寄りかかるなどして腰にかかる負担を少なくしましょう。

>歩いている時(ウォーキング)の正しい姿勢
背筋を伸ばして軽くアゴをひき、自然に腕を振って上体をまっすぐに保ちます。
腰から前に出すように足を真っすぐ前に伸ばし、横ぶれがないように足のつま先でけり出す。
最初に「かかと」を着地、次に親指のつけ根のふくらみを着地させる。
足は「かかと」からつま先に転がすような感じをイメージします。
歩幅は、踏み出した足が着地する際に、多少ひざが曲がる程度にする。
歩き始めはゆっくりと、フォームを少しは気にしながら行うようにしましょう。

>車に乗車する時の正しい姿勢
基本的には座る時と同じになります。
膝が股関節(足の付け根)より少し高くなるように車の座席を前に進め、ハンドルが胸の近くにくるように調節します。
座席に着くときは横向きでお尻から入り、それから足を入れ前向きにします。
降りる時は横向きで足から外に出し、立ち上がりましょう。

>寝る時の正しい姿勢
リラックスできる姿勢が基本です。
うつぶせの状態で寝るのは腰などによくありません。
痛みがある時は横向きでやや前かがみ(横向きエビ型)の姿勢で寝るのが良いです。
仰向けの場合はひざの下に枕などを置いて寝ると良いです。 やわらかすぎる布団やベッドは、背中とお尻が落ち込み、腰椎は前方への彎曲が強くなりすぎてしまいます。 又、寝返りもうまく出来ません。
理想的には、背中やお尻が落ち込みすぎない適度な硬さを持ったものがよいです。
よく言われるように腰痛もちの方には、畳の上に敷布団を敷いた寝方がおすすめですが、まず自分に合っている寝具を選ぶことも大切になると思います。